MONEY
2023.05.26
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ある程度事業が軌道にのって売上が増えてくると、法人化を検討し始める個人事業主の人も多いはず。法人化したほうが税金の負担が減り、社会的信頼性が上がって事業の拡大もしやすくなるなど、メリットは多数あります。しかし、安易に法人化して後悔した人も多いと耳にし、不安に感じている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、法人化して後悔することが多い代表的な内容を紹介します。失敗や後悔をしないためにどうすればいいかも解説するので、法人化を検討している人は参考にしてみてください。
目次
早速、法人化してから後悔することの多い項目を紹介します。代表的な8選を紹介するので、法人化を検討する際の参考にしてみてください。
法人化してから後悔することの1つに、法人化に際して想定以上の費用がかかってしまったことが挙げられます。そもそも法人を設立する際に約25万円程度の費用が発生するほか、資本金の準備や会社経営を軌道にのせるための費用など、あらゆるお金が必要です。
また、法人化することで、銀行の開設手数料やインターネットの契約料など、あらゆるものの費用が高くなるのも見逃せないポイントといえます。基本的にいずれのサービスも法人が契約すると高くなる場合が多いため、とくに設立直後で資金に余裕がないときには大きな打撃になりかねません。
税率の引き下げや経費にできる項目の増加などにより、節税を期待して法人化したものの、思っていたよりも節税効果が得られず後悔するパターンもあります。
とくに、法人化したあと事業がなかなかうまくいかず、利益が下がってしまうとかえって税負担が増えることがあります。
例えば、個人事業主のときに所得が800万円ほどあり、税率を23%から15%に引き下げる目的で法人化したとしましょう。法人化してからうまく利益が出せず、仮に利益が300万円程度に落ちてしまった場合、本来なら所得税率10%でよかったものが法人にしたことで15%かかってしまいます。
単に個人事業主としての所得が増えたからと安易に法人化してしまうと、かえって税負担が上がってしまう可能性も少なくありません。
法人化したのはいいものの、維持するために必要な費用が想定以上にかかって後悔した人もいます。法人化すると、税理士費用や法人住民税、社会保険料など、個人事業主のときには不要だった費用が発生するのが現実です。
法人化すると事務処理や経理処理が複雑化するため、税理士への依頼は基本的に避けられません。依頼する税理士や状況、依頼内容にもよりますが、最低でも数十万円ほどの税理士費用がかかります。
個人事業主なら、赤字を出すと所得税も住民税も課税されませんが、法人だといかなる場合でも法人住民税を支払わなければいけません。東京23区内だと、最低でも7万円ほどかかります。
社会保険料は、社長1人で運営している会社であっても支払いが必要です。厚生年金と健康保険をかけなければならず、個人事業主のときよりも負担は増えます。
安易に税金が減らせると思って法人化したものの、かえって日々の維持費にお金がかかってしまい、結果的に法人化したあとのほうが費用負担が増えるケースが少なくありません。
個人事業主のときのように、自由にお金が使えなくて困ったケースも後悔するパターンとして挙げられます。個人事業主であれば、得た売上はすべて自分で自由に使えますが、法人化するとそれができません。
法人として事業を運営して得た売上は、社長個人のものではなくあくまでも法人のものです。社長が売上を自由に使ってしまうと、法人のお金を勝手に使い込んだことになり、横領扱いにされてしまいます。
社長1人で運営している会社であっても、会社のお金を使う場合は、役員報酬や賞与などの名目で社長個人の収入にしなければいけません。ただし、社長個人の収入という扱いをすれば、いくらでももらっていいわけでもないため注意が必要です。役員報酬の名目にする場合は一定の金額を保つ必要があるなど、あらゆる制約があります。
いずれにしても自分で稼いだお金を自由に使えないのは煩わしく、法人化しなければよかったと後悔するケースが多いといえるでしょう。
法人化すると事務的な負担が大幅に増えるため、面倒に感じて後悔するパターンもあります。法人化に伴って、経理事務が煩雑化したり、法律についてより詳しく理解する必要があったりと、さまざまな負担が増えるのが特徴です。
ほかにも、社会保険の手続きが増えたり、登記関連の手続きが必要だったりと、ただでさえやらなければならないことが増える上に、いずれの手続きも簡単ではありません。
税理士など専門家に依頼して行ってもらう内容もあるとはいえ、それでも自分で何もしなくていいわけではないため、個人事業主のときよりも圧倒的に負担は増えます。手続きや処理を適切に行うためには勉強をして知識もつけなければいけないため、面倒に感じてしまう人が多いといえるでしょう。
仮に複数人が共同で法人を立ち上げたり、出資者がほかに存在したりする場合には、経営方針を自分1人で決めることは基本的にできません。自分が社長だったとしても、法人は自分個人だけのものではなく、経営に関わる役員や出資者も含めた全員のものです。
はじめは同じ方針で会社を立ち上げたとしても、事業を運営していくなかで意見が割れることは珍しくありません。自分のやりたいことと、出資者が求めることが異なる場合もあります。
やりたいことがあったり、事業を拡大したかったりと、自分のなかで強い気持ちを持って法人化したのに、ほかの人の意見も考慮して経営方針を決めなければいけない環境に嫌気がさす人も少なくありません。
法人化する際には登記を行わなければいけませんが、登記でつまずいてトラブルが発生し、追加費用が発生する事例もあります。よくあるのは、賃貸マンションで登記をしようとして登記ができず、追加費用がかかるパターンです。
賃貸マンションのなかには、登記を認めていない場合が少なくありません。登記が不可であることに気づかず登記をしようとすると、規約違反になりオーナーともめたり、認めるかわりに追加で費用を請求されたりすることがあります。
結局認めてもらえず住所を変えることになった場合は、また別途登記費用が必要です。登記に際してかかる費用は決して安くないので、駆け出し時点でつまずいてやる気をなくしてしまう人が多いといえます。
法人化したことを後悔したり、事業がうまく軌道にのらず廃業を決意した場合でも、廃業手続きが想像以上に手間で嫌気がさす人もいます。手間だけでなく、費用も必要です。
法人を廃業する際には、社員への告知や株主総会での決議、登記手続き、財産の処分や分配、債権回収など、かなり多くの手続きを踏まなければいけません。必要な期間も2か月ほどと、廃業を決めてすぐにやめられるわけではないため、時間も労力もお金も必要です。
廃業時にかかる費用は、約7〜8万円ほど必要なほか、司法書士に依頼する場合にはさらに費用がかさみます。
費用と時間をかけて法人化したのにうまくいかず、さらに廃業するときにも費用と時間がかかるとなると、法人化しなければよかったと思う人がいるのも納得です。
無計画に法人化してしまうと、前項で解説したような後悔につながりかねません。法人化を検討する際には、後悔しないためにすべきことを理解しておく必要があります。
法人化すると決めたら、まずはしっかりと計画を立てることが重要です。無計画に法人化しても、結局うまくいかず想定外の出費や労力が必要になりかねません。
どんな事業をどう進めていくのかの戦略や、資金繰りはどうするのか、競合他社にはどんな会社があるのかなど、リサーチを含めて計画立てることが重要です。法人化にかかる費用や、設立後にかかる費用なども計算し、問題なく法人を維持していけるかも検討しておく必要があります。
法人設立に必要な費用や、維持するために必要な費用を把握しておくことも重要な要素です。何も調べずに安易に法人化してしまうと、想定以上の費用がかかり資金繰りが厳しくなる可能性もあります。
法人を設立する際には、約25万円ほどの費用が必要です。加えて、資本金の準備が必要なほか、オフィスを借りたりインターネットを契約したり、銀行口座を開設したりと、さまざまな出費が発生します。
また、設立したあとも、社会保険料の支払いや法人住民税の支払い、オフィスの賃料や従業員への給与など、あらゆる費用の支払いが必要です。
安易に税率が下がるからといって法人化したら、想定以上の出費でかえって事業が立ち行かなくなる可能性もあります。かかる費用を事前にきちんと調べたうえで、資金計画を立てることが重要です。
法人化する前には、会社設立や経営、税制、法律などについてしっかり勉強しておく必要があります。知識がないまま法人化しようとすると、うまくいかないことはもちろん、気づかないうちに法律に違反してしまったり、損をしてしまったりするケースが少なくありません。
お金を払って専門家に依頼する前提であっても、ある程度知識をつけておくことが重要です。丸投げしてしまうと、いざというときに自分で何も対処できなかったり、対応してもらっている内容が適切なのかの判断がつかなかったりします。
法人化しようと決意したあとすぐに実行するのではなく、一定の準備期間を設け、その間に必要な知識を身につけておきましょう。
自己資金をしっかりと確保した上で法人化することも、重要な準備の1つです。法人化するとさまざまな費用が発生すると理解していても、想定外の出費がかさんで資金繰りが困難になることがあります。
資金が不足すると経営が立ち行かなくなるため、あらかじめ自己資金に余裕を持っておくことが重要です。万が一資金繰りが厳しくなっても、融資を受けるなどして対処することはできますが、借りたお金は当然返済しなければいけません。返済もうまくいかなくなると廃業に至ってしまうので、できるだけ自分で資金を集めておくのが無難です。
お金がないのに安易に法人化することはやめ、事前の資金準備も含めて計画を立てた上で法人化を行いましょう。
法人化を実行する際には、必要に応じて専門家の力を借りるのがベターです。専門家に依頼すると当然費用は発生しますが、複雑かつ専門的な知識が必要なことを、不十分な知識のままで対応してしまうと、取り返しがつかなくなることもあります。
最低限の知識は自分で学んで身につけた上で、高度な知識やスキルが必要なものは専門家に依頼することを前提に資金を用意しておくのが無難です。場合によっては、法人化に関する手続きだけでなく、法人化すべきかどうかの相談にのってもらえたり、資本金の設定をいくらにすべきか提案してもらえたりと、総合的にサポートしてくれる会社もあります。
高度な知識が必要な場面では専門家に依頼することを前提にし、資金を用意しておきましょう。
本記事では、法人化によって後悔することが多い内容を紹介しました。節税目的で安易に法人化してしまうと、思った以上に節税効果が得られなかったり、法人を維持するためのコストにかえって圧迫されてしまったりと、後悔につながる可能性があります。
うまくいかず廃業を決めたとしても、廃業までに数か月の期間を要するほか、費用も発生するため、法人化する際には慎重に準備することが重要です。
法人化して後悔しないためには、事前にしっかりと計画を立てておくことや、自己資金を確保しておくこと、必要に応じて専門家を頼ることなどを徹底しましょう。