MONEY
2023.01.12
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契約者や保険料の負担者を法人にして契約する法人保険。企業をなるべく安定的かつ安全に経営するために、加入を検討している企業も少なくないはずです。さまざまな経営リスクに備えられることは理解していつつも、具体的にどんなメリットがあるのかわからず、加入すべきか判断しきれないこともありますよね。
本記事では、法人保険に加入するメリットやデメリットを紹介します。全額損金にできる保険の有無や、保険の種類、仕組みなども網羅的に解説するので、加入を検討している場合はぜひ最後までチェックしてみてください。
目次
法人保険とは、契約者を法人の代表者や役員に設定して加入する保険全般を指します。もともと法人向けに用意された保険だけではなく、個人向けの保険に法人名義で加入するケースもあるのが特徴です。
法人が会社を経営する上で起こりうるリスクに備えるもので、万が一経営者に何かあったときや、会社の経営が危ぶまれたときなどに対応した保険が用意されています。
法人保険に加入する目的は、会社経営に起こりうるさまざまなリスクに対応するためです。経営者に万が一のことが起こり、借入金が返せなくなった場合や、倒産などにより事業が継続できなくなった場合などに備えます。
経営者に万が一のことがあった場合は、借入金の返済や相続税の支払いなど多額のお金が必要になるため、事業継承がスムーズにいかないことが少なくありません。法人保険でカバーできていれば、借入金の返済などに保険金を充てることができ、事業の継承がスムーズに進みます。
また、会社の経営そのものだけでなく、経営者や役員、従業員が亡くなった場合の死亡退職金や弔慰金など、福利厚生を目的として加入するケースもあるのが特徴です。
法人保険にはさまざまな種類のものがあり、備えられるリスクも保険の内容によって異なります。以下でそれぞれ備えられるリスクについてチェックしておきましょう。
事業の立ち上げや拡大等のために銀行などからお金を借りている場合には、借入金リスクに備えておくことが重要です。借入金がある状態で経営者に万が一のことがあると、後継者が代わりに借入金を返済しなければいけません。
あわせて、借入金がある状態で経営者が亡くなってしまうと、取引先や金融機関、従業員などの信用不安が広がり、支払いを一括で請求されたり、追加融資を受けられなくなったり、従業員が退職してしまったりするリスクもあります。
きちんと生命保険等で備えておけば、万が一のことがあってもすぐに金銭的な対応が可能なため、不安の広がりを最小限に抑えることが可能です。
借入金がある場合には、連帯保証リスクにも備える必要があります。経営者は、法人名義で借り入れているお金に対し、連帯保証を負っているのが一般的です。連帯保証人である経営者が死亡した場合は、法定相続に従って相続人に債務が引き継がれてしまいます。
事業を継承するかどうかに関わらず負債が相続されてしまうため、相続人が借入金を必ず返済しなければいけません。経営者が亡くなったときに死亡保険金などを会社名義で受け取れるようにしておけば、負債が引き継がれてもスムーズに対応することができます。
経営者が亡くなっても誰かが事業を継承する場合は、資金面で困らないよう事業継承リスクにも備えることが重要です。
事業継承をする際には、多額の資金が必要とされるケースが多い傾向にあります。経営者が亡くなることで一時的に事業がストップすると、その間の売上が減少します。売上が減少していても、雇っている従業員への給与の支払いは必要です。
オフィスの賃料や光熱費、その他の固定費も支払わなければいけません。事業継承に伴って専門家にコンサルティングを依頼したり、新しく人を採用したりと、追加で発生するコストも想定できます。
上記のような費用に対応できるよう保険で備えておけば、事業継承がスムーズに運び、会社の損失を最小限に抑えることが可能です。
経営者が個人のお金を会社に貸し付ける形で資金を用意していた場合には、金銭貸付リスクも忘れてはいけないポイントのひとつです。
個人のお金を経営者が会社に貸し付けている状態で死亡した場合は、貸し付けていたお金が相続の対象になり、法定相続人から返還請求される可能性が高いといえます。事業資金として貸し付けていた場合は高額である可能性が高いため、会社の財務状況によっては簡単に支払うことができない場合も。
法人保険に加入しておき、会社名義で死亡保険金等が受け取れるようにしておけば、貸し付けられいた分の金額を法定相続人へ速やかに返還することが可能です。
従業員や役員に退職金を支払う予定の場合には、退職金リスクへの備えも重要です。退職金はひとりあたりの額が高いため、支払うと会社の収益を圧迫して赤字につながる場合があります。
法人保険に加入しておけば、勇退退職の場合は解約返戻金で対応し、死亡退職金の場合は死亡保険金で対応することが可能です。保険によっては数千万円ほどの解約返戻金が出るものもあるので、高額な退職金にも対応できます。
次に、法人保険に加入するメリットを紹介します。法人保険への加入を踏みとどまっている場合は、決断材料として参考にしてみてください。
創業直後など資金が少ない時期でも、法人保険に加入することであらゆるリスクに備えられます。とくに小さい企業だと、なかなか十分な資金を用意した上で創業できないケースがほとんどです。
万が一リスクの大きいトラブルが発生してしまった場合は、経営が立ち行かなくなることがあります。法人保険に加入しておけば、まとまった資金がなくても前項で解説したようなあらゆるリスクに備えることが可能です。
毎月の支払いは必要ですが、一度でまとまった資金が必要なわけではないため、資金力に乏しい企業にとってメリットは大きいと言えるでしょう。
法人保険の保険料は損金として計上することができるため、節税につながるメリットもあります。損金が増えると利益が減るため、支払う法人税を抑えることが可能です。
ただし、どのくらい損金として扱えるかは、保険の種類や商品によって異なる点に注意しましょう。主に損金に算入できる保険には、長期平準定期保険や養老保険、医療保険などが挙げられます。損金に算入できる金額は解約返戻金の割合や保険の分野によって異なるため、別途税理士などに相談してみると安心です。
法人保険は、福利厚生の一環として従業員の退職金を貯蓄しておくことにも役立ちます。解約する時期に応じてどのくらい解約返戻金が受け取れるか見積もることができるため、退職金の支給計画にあわせて計画的に積み立てていくことが可能です。
加入する保険によっては、数百万円〜数千万円の解約返戻金を受け取ることが可能なので、退職金として十分な額を用意することができます。
法人保険の契約者貸付制度を利用すれば、事業に必要なお金を借りることができる点もメリットのひとつです。契約者貸付制度とは、これまでに払い込んだ保険料をもとに解約返戻金の額を算出し、その額の約70〜90%程度までお金を借りられる仕組みのことをいいます。
保険を解約しなくてもお金を借りることが可能なので、急遽まとまった資金が必要になった場合に役立つのが魅力です。保険を解約して解約返戻金を受け取る方法もありますが、その後保障が受けられなくなったり、再度加入する際に保険料が割高になったりする欠点があります。契約者貸付制度なら保障は継続するため、メリットはより大きいといえるでしょう。
また、銀行などからお金を借り入れる際には厳しく審査が行われますが、契約者貸付制度の審査はさほど厳しくありません。お金を借り入れる可能性が少しでもあるなら、契約者貸付制度をリスク対策のひとつとして取り入れるのもひとつの方法です。
先述したとおり、法人保険に加入しておけば事業継承時の負担を最小限に抑えることが可能です。事業継承時には売上が一時的に落ちる可能性が高いほか、資産価値に応じて相続税もしくは贈与税が発生します。新しく人を採用する必要がある場合などは、さらにコストがかさむこともあるでしょう。
法人保険に加入しておき、死亡保険金や解約返戻金を受け取れるようにしておけば、上記のような費用が発生しても対応することが可能です。
法人保険には、メリット以外にデメリットも存在します。加入後にあわてないよう、あらかじめ理解しておきましょう。
法人保険に加入すると保険料の支払いが発生するため、場合によってはキャッシュフローが悪化する可能性もあります。保険料の支払いが苦しいくらい資金力に乏しかったり、設備投資など高額な費用が必要な計画を予定していたりする場合には、加入に慎重になったほうが賢明です。
法人保険に加入することでキャッシュフローが悪化し、経営を圧迫してしまうと本末転倒なので、加入を検討する際には事業計画や収支状況などを考慮した上で判断するようにしましょう。
法人保険を解約すると受け取れる解約返戻金は、タイミングを誤ると元本割れを起こして損をすることがあります。解約する時期によって返戻金の割合は変動するため、適切なタイミングで解約することが重要です。
どういう計画で解約返戻金がいくら受け取れるかは事前にある程度把握できるため、それに応じてなるべく損をしないタイミングを見計らって解約するようにしてください。保険の種類や状況、時期にもよりますが、できるだけ100%を下回らない時期に受け取れるよう工夫することが重要です。
死亡保険金や解約返戻金を受け取ったら、会社の利益として扱われるため税金がかかります。場合によっては会社の利益が膨れ上がり、納める法人税が高くなることがあるため注意しましょう。
保険金や解約返戻金を受け取った年には、退職金や弔慰金、見舞金として従業員へ支払う名目で支出に計上すれば、損金として扱うことができます。損金が増えれば法人税の負担も減らせるので、あらかじめ税金対策についても検討しておくことが重要です。
次に、主な法人保険の種類を紹介します。法人保険にはさまざまなものがあるので、自社に合ったものを選択することが重要です。
定期保険とは、経営者に万が一のことが起きた場合に保障が受けられる保険です。主に経営者が死亡したときに、死亡保険金が受け取れます。
基本的に保険料は掛け捨てで、保険期間も一定期間です。主に法人が加入する定期保険には、以下の2つがあります。
長期平準定期保険とは、保険期間を一般向けの定期保険よりも長く設定することができ、その分受け取れる解約返戻金も高額にできるものです。解約返戻金のピークを迎えるのが遅いため、長期的に退職金を積み立てたい場合に適している保険といえます。
保険料は終身保険よりも割安ですが、最大で被保険者が100歳になるまで保険期間が設定できるため、終身保険と定期保険のいいところをあわせたような仕組みです。
都度支払う保険料は割安ですが、長期で加入することが前提であるため総払込額は高くなる点は理解しておきましょう。
逓増定期保険とは、保険金が年々増加していくタイプの定期保険です。高額の保険金が受け取れるため、万が一のときにしっかりとした備えを用意しておきたい場合におすすめといえます。解約返戻金のピークを迎えるのが早く、短期間でも退職金などに備えることが可能です。
受け取れる金額が高い分、都度支払う保険料も高い点はデメリットです。加入して間もない期間の解約返戻金を低く抑えることで、保険料を割安にできる低解約返戻金逓増定期保険などもあるので、状況に応じて合ったものに加入しましょう。
収入保障保険とは、被保険者に万が一のことがあった場合に、毎月一定額の保険金を継続して受け取れる仕組みの保険です。個人向けにも広く知られている保険で、契約当初の保険金が最も高く満了に近づくにつれて額が下がっていきます。
毎月年金のように受け取ることができるため、固定費の支払いなどにもスムーズに対応することが可能です。定期保険より保険料が割安なのも、魅力のひとつといえます。解約返戻金や満期保険金はないことがほとんどですが、保険料を全額損金として計上できるため節税にも役立ちます。
ただし、保険金を受け取る際には毎月受け取る度に益金として計上しなければいけないため、法人税が増える場合がある点には注意しましょう。
定期保険とは異なり、保障が一生涯続くのが終身保険です。被保険者に万が一のことがあった場合に備える点は定期保険と同じなので、事業継承時の資金や相続対策、役員や従業員の退職金対策としても利用できます。
保険期間は被保険者が亡くなるまでの長期間なので、保険料の負担がトータルで大きくなる点はデメリットです。必ず死亡保険金がもらえることから資産としての意味合いが強いため、全額が資産として計上され損金にはできません。節税効果はないので、注意してください。
被保険者が死亡した場合は死亡保険金を、期間満了まで死亡しなかった場合は満期保険金を受け取れるのが養老保険です。死亡保険金と満期保険金の額は同額なので、役員や従業員の死亡退職金と勇退退職金のどちらにも同じ保険で備えることができます。
保障が手厚い分保険料は高く、解約してしまうと受け取れる解約返戻金がごくわずかかゼロかのどちらかである点はデメリットです。経費と資産の両面を持ち合わせた保険なので、半額は損金として計上できます。
総合福祉団体定期保険とは、役員や従業員の遺族の生活を保障するための保険です。役員や従業員に万が一のことがあった場合に、会社が遺族に支払う弔慰金や死亡退職金に備えることができます。
ヒューマンバリュー特約というものをつければ、従業員の遺族が死亡保険金を受け取ることとは別に、会社も同額までの保険金を受け取ることが可能です。従業員にとって手厚い保険であることから、イメージアップにつながるのも魅力といえます。
従業員の保険金を会社の利益と偽るケースを防ぐため、受取人はかならず従業員の遺族で設定されるのが特徴です。
あくまでも福利厚生として加入することがメインのものなので、会社のリスクに備えるという点ではメリットはあまり多くありません。会社のリスクにも備えたい場合は、ヒューマンバリュー特約をつけることをおすすめします。
損害保険は、偶然起きた事故などによって生じる損失に備える保険です。ここまで解説してきた生命保険とは分野が異なります。偶然起こりうる事故や事象によって自社に損失が発生した場合や、誰かに損失を与えてしまった場合に、その都度必要な費用をまかなうものです。
主には、以下のような事態に備えられます。
生命保険とは別軸で、損害保険にも加入しておくと安心です。
以下では、具体的に法人保険に加入する際の手順について解説します。あくまでも一般的な流れなので、詳細は加入する保険会社に確認してください。
法人保険のメリットや効果を最大限に発揮させるため、加入する目的は必ず事前に考えて明確化しましょう。どんなリスクに備えたいのかや、どんな効果を期待したいのかなどを考え、その上で目的にあった保険の種類や金額を決めることが重要です。
これまでは節税だけを目的に加入する法人も多くいましたが、過度な節税対策が横行したことから2019年に法律が見直され、現在では節税目的だけで加入するのは難しくなりました。いまは節税目的だけで加入するとかえってキャッシュフローが悪化する原因になってしまうため、きちんとほかの目的を見つけましょう。
法人保険にはさまざまな種類のものがあるので、自社の目的にあったものに加入することが重要です。
法人保険には、まず大きくわけると生命保険と損害保険の2つがあります。経営者や従業員の命に関わることに備えたいなら生命保険、事業を行う上で日々起こりうる事故やトラブルに備えたいなら、損害保険に加入しましょう。
どんな種類の保険が適しているかは、目的が明確化されていないと決められません。生命保険にも損害保険にも、さらにその先に多くの種類の保険が用意されているため、目的を明確化して最も適したものを見つけることが重要です。
どの種類の保険が適しているかわかったら、各社の保険に見積もりや資料請求を行って比較しましょう。
補償内容が全く同じでも、支払う保険料は各社によって異なります。保険料以外にも、選べる特約の数、万が一のときの対応がスピーディかどうかなど、比較しておくべきポイントはさまざまです。
保険料が安くても、保険金の支払いまでの手間や時間がかかりすぎる、相談事項があっても問い合わせ窓口が不十分など、ほかに欠点がある場合もあります。見積もりや資料をもらったら、細部まで比較した上でどこの保険にするかを決定しましょう。
法人保険に加入する際には、いくつか注意しておきたいポイントがあります。加入手続きを行う前に、以下を確認しておきましょう。
前項でも少し触れたとおり、今や法人保険に節税目的だけで加入するのは難しい時代です。2019年に、行き過ぎた節税対策を規制するために税制改正が行われ、損金として計上できる保険料に制限が生まれました。
現時点ですでに節税目的だけで加入するのはあまり効果がありませんが、今後も規制が強化される可能性は少なくありません。あとから節税効果がほとんどなくなったという事態にならないように気をつけましょう。
福利厚生や退職金目的に法人保険へ加入するなら、必ずあらかじめ規定を作成しておくことが重要です。
例えば従業員が死亡したときにお金を支給する場合、福利厚生の規定に基づいて死亡保険金を支給するのか、退職金規定に基づき死亡退職金を支給するのか、どちらかを明確にしておかないと両方とも支払わなければいけなくなる可能性があります。
福利厚生として法人保険を利用する場合に、毎月の賃金から控除する際には、あらかじめ協定書を従業員に周知しなければいけません。協定書がないまま控除すると、労働基準監督署へ訴えを起こされる可能性もあります。
法人保険によるトラブルを防ぐために、必ず福利厚生や退職金に関する規定はきちんと整理しておきましょう。
解約返戻金の使い道をあらかじめ決めておかないと、多額の法人税がかかってしまう可能性があります。本来解約返戻金として受け取ったお金には法人税が課されますが、受け取った年中に退職金などの名目で支出すれば、利益と相殺して法人税を抑えることが可能です。
目的を決めず、解約返戻金をただ受け取るだけで終わってしまうと、高額の法人税を支払うことになるため注意しましょう。
ただし、仮に退職金等の名目で支出に換算するとしても、あらかじめ退職金や福利厚生の規定できちんと定めておかないと、脱税とみなされる場合があります。退職金として支払うなら、必ず規定を作成して税務署に提示できる状態にしておかなければいけないので、注意しましょう。
法人保険に加入したら、キャッシュフローが悪化していないかどうかを常に確認することも重要です。万が一のために法人保険に加入していても、毎月の保険料の支払いがキャッシュフローを圧迫していては意味がありません。
法人保険で備えることも重要ですが、それ以上にキャッシュフローを安定させることも重要です。そもそも加入の時点でキャッシュフローを圧迫しすぎないプランを選ぶことも重要ですが、加入後も安心しきらず常に確認するようにしましょう。
保険はドル建てで購入できるものもありますが、常に為替リスクが伴うことを十分理解しておかなければいけません。ドル建ての保険は円建てよりも利回りがよく、円安リスクに備えられるなどのメリットもありますが、常に為替の変動リスクが伴います。
円高になると保険料の支払額は増え、円安になると保険金や解約返戻金の受け取り額は減る仕組みです。保険料は円高や円安のタイミングに関係なく支払わなければならず、保険金や解約返戻金を受け取るタイミングは円高や円安のタイミングを選べないこともあります。
上記のデメリットやリスクをきちんと理解した上で、ドル建てを選ぶのか円建てを選ぶのかを判断するようにしましょう。
経営者個人の生活に備えるためには個人保険に、会社の経営に関することに備えるためには法人保険に加入するのが基本です。各保険の役割を意識し、それぞれどのリスクに備えられるのかを意識すると、バランスを判断しやすくなります。
なかには、法人保険でも個人の生活まで備えられる場合もあります。経営を引退するとき勇退退職金が受け取れれば、個人の老後の生活を保障することが可能です。重複して個人保険にも加入すると保険料の負担が大きくなる場合もあるので、保険金の額などを考慮した上で判断しましょう。
加入すべき法人保険を決めてから、法人保険でまかないきれない部分を個人保険でカバーするのがおすすめです。
掛け捨てタイプの保険であれば、全額損金にできるものもあります。基本的に掛け捨てタイプの保険とは、保険期間が一定で、期間内に死亡した場合は死亡保険金が受け取れるもの、そして満期保険金がなく保険料が一定のものです。
しかし、最近では各社が工夫をこらしてさまざまな特徴をもった保険商品を用意しているため、全額損金にできる保険がすべて上記の特徴と完全に一致するわけではありません。細かいことがわからない場合は、税理士などに相談してみるのも手です。
また、保険料をどこまで損金にできるかは、解約返戻金の割合に応じて決まります。解約返戻金のピークがどのくらいの割合かによって異なるので、以下の表をチェックしてみてください。
ピークの解約返戻金率 |
損金に算入できる保険料の割合 |
50%以下 |
全額 |
50%〜70%以下 |
60% (※1名あたりの年間合計保険料が30万円以下の場合は全額) |
70%〜85%以下 |
40% |
85%以上 |
1年目〜10年目:100%-(ピークの返戻率×0.9) 11年目以降:100%-(ピークの返戻率×0.7) |
本記事では、法人保険の概要やメリット、種類などについて解説しました。法人保険にはさまざまなものがありますが、会社経営を安定させるためにあらゆるリスクへ備えることが可能です。資金が少なくてもリスクに備えられたり、一定の節税効果が見込めるのもメリットといえます。
法人保険に加入する際には、必ず目的を明確化し、それに応じて規定の整備など必要な準備を行うことが重要です。加入する保険によっては損金にできる額が少なかったり、キャッシュフローを圧迫しかねかなったりと注意点もあるので、本記事で紹介したことを参考に損をしない保険に加入するようにしましょう。