MONEY
2022.12.05
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フリーランスとして働くにあたって、「確定申告のときに支払調書の添付って必須なの?」「支払調書が届かないけど確定申告までに送ってもらうべき?」といった疑問や不安が起こりがちです。
クライアントには支払調書作成の義務があるものの、フリーランスは支払調書がなくても確定申告をできる仕組みになっています。
この記事では、支払調書が確定申告で不要な理由、支払調書の概要、支払調書と帳簿の金額が合わないときの対処法や原因、支払調書が送られてこない場合の対応について、クライアント側の義務や罰則も交えながら解説していきます。
リスク回避しながら安全にフリーランス業を営むためにも、支払調書について理解度を高めてください。
目次
フリーランスをしていると、支払調書が確定申告時に必要か否かという疑問が出てきます。
結論から言うと、支払調書はフリーランスが確定申告をする上で不要です。
支払調書がなくても確定申告書の作成や提出に影響はないので、あくまで補助の役割を担う程度に考えてください。
ただし、仕事を発注するクライアントには、支払調書の提出義務が発生します。
支払調書に関して正しく把握するためにも、クライアントと支払調書の関係性について知識を深めていきましょう。
ここでは、支払調書がフリーランスの確定申告で不要な理由のほか、支払調書が必要な職種や提出義務がある人、支払調書を提出しない場合の罰則、発注側の法的な扱いについてお話ししていきます。
フリーランスが確定申告をする際、支払調書は必要ありません。
支払調書の作成や提出は、あくまでクライアント側の業務範囲です。
フリーランスは支払調書に関する対応を一切義務付けられていないため、支払調書の有無にかかわらず確定申告できるということを覚えておきましょう。
また、クライアント側についても、状況によってはフリーランスに支払調書を提出しなくてよい決まりになっています。
例えば、芸術・文化賞の受賞賞金、懸賞やコンクールの選考料や賞金といった一度きりの支払いについては、支払調書の発行が不要です。
これは、一度しか行われていない支払いは、同じ相手と一定の期間にわたって金銭の移動が発生したという条件に当てはまらないと判断されるからです。
そのため、賞金関連の支払いについて支払調書の作成自体を行わないクライアントも一定数いるものの、通常の業務同様にフリーランスの確定申告時に支払調書は不要なので安心してください。
支払調書の作成及び提出は、クライアントの責任範囲です。
フリーランスに作成義務はありませんが、支払調書についてより深く理解するためにも、支払調書が必要な職種についておさらいしておきましょう。
支払調書には、作成や提出が必須となる職種が設定されています。
国税庁が定める「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲によると、弁護士、税理士、社会保険労務士をはじめとする士業、デザイナーやライターを含むクリエイター、演劇や芸能関係の出演者などに仕事を依頼して報酬を支払う場合、クライアントは支払調書を作成しなければなりません。
ただし、例え該当している職種のフリーランスに仕事を依頼しても、支払った金額が一定以下の際には支払調書を作成しなくてよいことになっています。
同一の人物に対して年間50,000円以上の支払いを行ったときに支払調書の提出義務が発生するため、職種及び支払い金額によって支払調書が必要か否か決まると覚えておきましょう。
支払調書は、源泉徴収義務者に該当する場合のみ提出する必要があります。
源泉徴収義務者に当たるかどうかの判断基準は、クライアントの働き方です。
クライアントが法人の場合、フリーランスの支払いを天引きして源泉徴収すると源泉徴収義務者と見なされます。
しかし、クライアントが個人で働いている場合においては、従業員を雇用しているケースのみ源泉徴収義務者に該当します。
従業員を雇っていない個人のクライアントは源泉徴収義務者に当たらないことから、税務署に支払調書を提出しなくてもよいのが特徴です。
フリーランスとして働くにあたって、請け負った仕事の支払調書には関与する必要はありません。
ただし、将来的に従業員を雇う、フリーランス事業を法人化するといった予定がある方は注意が必要です。
他のフリーランスに仕事を外注すると支払調書の作成・提出が義務付けられてしまうため、支払調書の仕組みについてよく理解しておくよう心掛けましょう。
「フリーランスが支払調書を提出しなくていいのは分かったけど、クライアントは送付しなかったらどうなるの?」「支払調書を発行しなかったクライアントは罰せられるの?」といった疑問を持つ方のために、ここでは支払調書を提出しないことで起こるリスクやペナルティについて紹介していきます。
提出義務があるにもかかわらず支払調書を発行しなかった場合、クライアントには懲役、もしくは罰金刑が科せられます。
未提出以外にも、事実と異なる詳細を支払調書に記載したクライアントには同様の罰則が発生するため、虚偽申告をしていないか十分に確認することがポイントです。
ただし、期限後の支払調書提出に関しては、特に罰則は設けられていません。
例え期限に間に合わなくても、遅れて提出することで懲役や罰金を回避できる仕組みになっています。
一方で未提出の場合はリスクが大きくなってしまうため、時間がかかっても支払調書をきちんと提出することが必要不可欠です。
支払調書を提出しなかった、もしくは事実と異なる記載をした場合、所得税法第242条の5により「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられる仕組みになっています。
以下は、発注側であるクライアントの支払調書の法的な扱いを表にまとめたものです。
該当の職種に報酬を支払った |
報酬が年間50,000円以上 |
支払調書を提出しない場合は所得税法第242条の5に違反 |
報酬が年間50,000円以下 |
提出義務なし |
|
発注者が法人 |
支払調書を提出しない場合は所得税法第242条の5に違反 |
|
発注者が個人 |
従業員を雇っている |
支払調書を提出しない場合は所得税法第242条の5に違反 |
従業員を雇っていない |
提出義務なし |
|
フリーランスへの対応 |
提出義務なし |
|
提出期限について |
提出を怠った |
支払調書を提出しない場合は所得税法第242条の5に違反 |
期限後に提出 |
問題なし |
支払調書の法的な扱いは、条件によって細かく分類されています。
違反対象と見なされないためにも、発注者側は支払調書の義務について正しく理解することが重要です。
支払調書とは、個人に仕事を依頼したクライアント側が作成する書類のことです。
支払調書は税務署に提出するための書類であり、年間で支払った金額や源泉徴収税額などが記載されています。
源泉徴収とは、仕事を請け負ったフリーランスの納税額をクライアントが天引きして支払う仕組みのことを指します。
源泉徴収を行ったクライアント側が支払調書の作成と提出を行うものの、詳細を知っておくことはフリーランスとして働く上でとても大切です。
ここでは、フリーランスが支払調書を必要とする理由や支払調書が発行されるタイミングについて詳しく説明していきます。
支払調書の基本情報を押さえて、スムーズかつ安心して働ける環境づくりに努めましょう。
支払調書は、フリーランスが正しく確定申告しているか否かを判断するためのものです。
税金額について、虚偽の申請をしているフリーランスもゼロではありません。
そのため、本当にフリーランスが偽りなく申告しているかを確認する目的で、税務署はクライアント側に支払調書の提出を義務付けています。
発注者であるクライアントから支払調書を取りよせることにより、税務署はフリーランスの確定申告書とクライアントの支払調書を照らし合わせることができます。
具体的なお金の流れをチェックできることから、フリーランスがきちんと税金を納めているかの判断材料になるという仕組みです。
尚、支払調書の発行に伴い、フリーランス側にもメリットがあります。
支払調書には源泉徴収された金額が記載されており、確定申告時に再計算する手間を省くことができます。
支払調書が手元にない場合、手間と時間をかけて確定申告書の作成や計算をしなければなりません。
一方、クライアントから支払調書を受け取っているのであれば、効率良く確定申告の処理を行えるのがポイントです。
確定申告をスムーズに進められることから、支払調書はフリーランスにとっても利点の大きな書類となっています。
フリーランス業をはじめて間もない方やこれから転身予定の方の中には、「支払調書っていつごろ送られてくるの?」「何月までに届かなかったらもう送られてこないと判断すべき?」といった疑問を抱く層もいるのではないでしょうか?
支払調書は、翌年の1月上旬~下旬あたりに送られてくることが多くなっています。
支払調書には期限があり、源泉徴収義務者に該当するクライアントは1月31日までに支払調書を税務署に提出しなければなりません。
支払調書に記載される取引は、1月から12月までの1年分です。
そのため、支払調書の締め日は12月末日に設定されており、クライアントは翌年の1月中に1年分の支払い金額と源泉徴収の額を計算するという流れになっています。
締め日である12月を過ぎないと支払調書の作成をスタートできないため、フリーランスが支払調書を受け取るのもそれ以降になります。
提出期限が1月31日であることを踏まえると、支払調書がフリーランスに発行されるのは1月上旬~下旬というのが一般的です。
ただし、支払調書をフリーランスに送付するかの判断はクライアントが行うので、1月31日を過ぎても送られてこないというパターンも多くなっています。
経理管理をしている際、支払調書と帳簿の金額が違うというトラブルが発生することがあります。
「どうして合わないの?」「何かミスをしてしまったのだろうか?」といった不安に駆られてしまいがちですが、落ち着いて原因解明と対処を行いましょう。
支払調書と帳簿で金額が異なる場合、自分の帳簿を再度見直すことが大切です。
計算間違いや記載ミスがないかを1つずつ見ていき、帳簿内の数字が確実に合っているかを確認してください。
また、処理方法などに誤りがあると金額が合わなくなるので、どのような処理がミスを生みやすいかについても理解することがポイントです。
以下は、支払調書と帳簿の金額が合わないときの対処法や原因に関する詳細です。
支払調書の金額が帳簿と合わないときは、自分の帳簿をくまなくチェックしてみましょう。
膨大な数字を細かく記載していく帳簿には、ミスが起こりやすいという特徴があります。
特に計算ミスは発生率が高くなっており、些細な誤りでも大きな金額の誤差に繋がりかねません。
本当に全ての情報が正しく記載されているかを確認するためにも、帳簿内の数字や計算について細かく見ていくことが重要です。
また、帳簿を付けるにあたって、「記入すること自体を忘れていた」「後で帳簿に書こうと思ってそのまま放置してしまった」というパターンも多くなっています。
源泉徴収された分を全てリストなどで表示し、帳簿内に漏れがないかも併せて確認していきましょう。
尚、計算ミスや記載漏れ以外に多いのが、支払調書と源泉徴収の金額が違うというケースです。
入力に誤りがあると支払調書と帳簿の金額も当然合わなくなってしまうため、入力ミスについても着目することが大切です。
支払調書と帳簿で金額が異なる場合、さまざまな原因が考えられます。
特に多いのが、年をまたぐ取引です。
支払調書は、一般的に支払いを行った日を基に作成されているのが特徴です。
一方の帳簿は、売り上げが発生した日に付けることが多くなっています。
そのため、例えば12月に売り上げが発生したにも関わらず1月に実際の支払いが行われた場合、帳簿上では12月の取引、支払調書では1月が発生日として扱われてしまいます。
別の年に起きた取引として処理してしまっているケースが多くなっているので、年をまたいだときは注意が必要です。
また、端数の処理方法の違いも、支払調書と帳簿の金額が合わなくなる原因のひとつです。
フリーランスの仕事をしていると、消費税計算により1円未満の端数の数字が出てくることがあります。
四捨五入で切り捨て・切り上げを行うのが基本ですが、場合によっては双方で数字の出し方が違うこともあるので、端数の処理方法にも着目しましょう。
支払調書は、いつも必ず送られてくるとは限りません。
クライアントは支払調書の作成や税務署への提出を必要に応じて行いますが、仕事を受注したフリーランスに支払調書を渡すことは義務付けられていないからです。
しかし、支払調書が届かないことに対して、「支払調書がないとフリーランスにとって何か不便なこともあるんじゃないの?」と「念のためにクライアントに催促した方がいい?」といった疑問を持つフリーランスも多くなっています。
ここでは、支払調書が送られてこない場合の対処法をご紹介していきます。
催促する前に確認すべきポイントについても交えながら解説していくので、支払調書が届かないときに備えて詳細をチェックしてください。
支払調書は、フリーランスが確定申告する上で不要です。
そのため、もし支払調書がクライアントから送付されない場合、そのまま放置してしまって問題ありません。
フリーランスに対する罰則などもないので、支払調書なしで確定申告書の作成を行いましょう。
ただし、支払調書がないということは、クライアントから源泉徴収された金額を自分自身で把握しておかなければならないということです。
天引きされた全金額をまとめておく必要があるので、クライアントから支払調書が送られてこない場合に備えて常日頃から経理管理を徹底しましょう。
確定申告時の手間を省くためにも、源泉徴収された金額を自分自身でその都度記載するように習慣づけてください。
クライアントからフリーランスへの支払調書の提出は、任意で行う仕組みになっています。
しかし、「確定申告のときに支払調書を確認しながら手続きしたい」「いくら源泉徴収されたか把握していないから支払調書がほしい」と考えるフリーランスも多いのが実情です。
どうしても支払調書がほしいときは、クライアントに催促して送ってもらうという選択肢があります。
ただし、フリーランスへの提出義務がないことから、問い合わせてもクライアントが支払調書の送付に応じないケースも多くなっている点に注意が必要です。
クライアントとトラブルになるのを防ぐためにも、支払調書の催促をする前にまずは自分自身で帳簿の確認などを行うようにしましょう。
フリーランスの確定申告において、支払調書の添付はしなくてよい決まりになっています。
支払調書の作成・提出は発注者に課せられている業務であり、支払調書がなくてもフリーランス業務に何の影響もありません。
支払調書に関する罰則もクライアントが対象なので、もし支払調書が送られてこなくてもそのまま確定申告を行うことができます。
ただし、支払調書を発行してもらうことにより、確定申告の手続きをスムーズに進められるというメリットがあるのも事実です。
もし源泉徴収に関する記録を一切取っていない場合は、確定申告書の作成に膨大な時間と手間がかかる点に注意してください。
また、支払調書と帳簿の金額が合わないときは、帳簿ミス、年をまたいだ取引、端数の取り扱い方の違いに着目してみましょう。
頻発しやすい原因を把握することで、効率良く金額を修正することができます。
支払調書の仕組みや活用方法を押さえて、円滑な経理管理に役立ててください。