MONEY
2022.07.05
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個人事業主の保険営業は、個人で独立して保険営業の仕事を担うことです。企業や組織との雇用関係を持つ正社員とは、働き方はもちろん、収入面も大きく異なります。また、正社員から個人事業主への転身を検討している方は、確定申告の必要性や社会保険に関する知識を身につけることも大切です。
この記事では、個人事業主の保険営業の概要、個人事業主の詳細、正社員との違い、個人事業主で保険営業の仕事を行うメリットとデメリットについて解説していきます。「個人事業主の働き方に憧れるけど、実態については詳しく知らない」「個人事業主の保険営業が自分に合う働き方なのか分からない」という方は、ぜひ参考にしてください。
目次
個人事業主の保険営業とは、その名の通り個人で保険の営業業務を行うことを指します。
保険営業の業務内容自体は、個人事業主と正社員で大きな差は見られません。
働き方に関する違いが主となっており、会社や組織などの法人を設立していない、会社や組織に属していないという点がポイントです。
また、収入、確定申告、自身が加入する保険についての違いもあることから、個人事業主の保険営業として働く場合は注意が必要です。
ここでは、個人事業主の詳細や正社員と個人事業主の保険営業の違いについて、保険営業の収入や確定申告の話を交えながら解説していきます。
個人事業主の保険営業に関する知識を深め、自身と相性の良い働き方か否かを見極めましょう。
個人事業主とは、法人を設立することなく個人で仕事をしている人のことです。
独立して働く個人のことを広く個人事業主と呼ぶことから、1人起業やフリーランスなども個人事業主として扱われます。
個人事業主として独立するには、開業日から1ヶ月以内に「開業届」を税務署に提出する必要があります。
ただし、「開業届」が未提出の状態でも罰則等が発生することはありません。
個人事業主として働く場合のメリットは、開業が簡単にできる、労働時間や労働場所の融通が利く、自身の得意なことを仕事にできるなどです。
一方で、社会的信用が低い、経済的に不安定、確定申告を行う必要があるといったデメリットも見られます。
良い点もあれば悪い点もあることから、個人事業主に転身する際は自身の性質や希望に合う働き方かどうかを考慮することが大切です。
尚、個人事業主の保険営業は、保険を売りたい企業や組織と委託契約を結んで仕事を行います。
個人事業主自身が保険会社を経営しているわけではないため、販売する保険を提供している企業や組織から営業の仕事を委託される必要があります。
委託された保険を売り上げることで、業務委託会社からの報酬が発生するという仕組みです。
保険営業の仕事には、正社員と個人事業主という2つの働き方があります。
正社員の場合、保険販売を行う企業や組織と雇用契約を結んで保険営業を担います。
いわゆるサラリーマンと同様の働き方で、労働の対価が「給与」という形で支払われるのが特徴です。
「給与」は、雇用契約を結ぶ間同士で発生する支払い方法のことを指します。
企業や組織と正社員は雇用契約で繋がっているため、正社員が受け取るのは「給与」となっています。
一方で個人事業主の場合、企業や組織と結んでいるのは委託契約です。
保険を売りたい企業や組織から委託されて保険営業を行う仕組みで、個人事業主はあくまで個人で仕事をしているという扱いになります。
雇用契約のない間柄なので、個人事業主が保険を売り上げた場合の労働対価は「報酬」と呼ばれます。
このように、正社員と個人事業主の保険営業の違いはさまざまです。
ここでは、正社員と個人事業主の保険営業の違いについて、収入、確定申告の有無、社会保険の観点から解説していきます。
個人事業主として保険営業の仕事を担う場合、正社員との違いを知っておくのは非常に重要です。
転身後に後悔しなくて済むように、両者の特徴をきちんと把握しましょう。
正社員と個人事業主では、保険営業として働く際の給料や報酬形態が異なります。
雇用契約を結んでいる正社員の場合、所属している企業や組織から給料が支払われる仕組みです。
インセンティブ制度となっていることが一般的で、固定された月々の最低基本給に、売り上げ契約数ごとの報酬が上乗せされます。
基本給の金額は企業や組織によってさまざまですが、1ヶ月に20万円を超えるケースも多くなっています。
契約を獲得した場合に加算されるインセンティブは、契約した保険料の0.3%程度が相場です。
また、個人事業主として保険営業をする場合の報酬形態は、インセンティブ制度とフルコミッションの2パターンに分類されます。
インセンティブ制度は正社員の場合と同様の仕組みですが、基本給は10~15万円ほどと少なめに設定されているのが特徴です。
フルコミッションは完全歩合制のことを指しており、成果が100%収入に反映されるという特徴を兼ね備えた報酬形態です。
個人事業主と正社員の保険営業の違いに、確定申告の有無が挙げられます。
正社員の場合、年末調整を受けられない、一部控除を受けるといった例を除いて確定申告をする必要はありません。
一方で個人事業主の場合は、確定申告することが義務付けられています。
確定申告とは、所得税を納めるために必要な手続きのことです。
1月1日~12月31日の所得や経費に関する資料を翌年2月16日~3月15日に提出する仕組みになっており、1年間の合計所得が38万円を超えた場合に行う必要があります。
個人事業主の保険営業の場合、保険の売上から必要経費を差し引いた数字が所得として扱われます。
必要経費を多く計上することで納税額が少なくなるため、1年間の経費管理をしっかりと行うように心掛けましょう。
また、確定申告義務があるにもかかわらず確定申告をしなかった場合、無申告加算税を支払わなければなりません。
納税額に応じて納税額の15~20%が加算されるため、注意が必要です。
ここでは、社会保険に関する個人事業主と正社員の保険営業の違いを説明していきます。
社会保険とは、労働者が病気、怪我、失業に見舞われた場合や老後の生活を保証するための制度のことです。
正社員の場合、「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険」「労災保険」という4つの社会保険に加入します。
強制加入が義務付けられており、試用期間中や入社日から加入する仕組みになっています。
一方で個人事業主が加入する社会保険は、「国民健康保険」「国民年金・国民年金基金」「介護保険」が一般的です。
ただし、基本給が発生するインセンティブ制度で働く場合は、個人事業主の保険営業でも正社員同様の社会保険を受けられる可能性があります。
基本給が保証されている部分に対して、雇用関係が結ばれているケースがあるからです。
尚、フルコミッションで働く個人事業主の保険営業は、一般的な個人事業主と同様の社会保険に加入することになるので注意が必要です。
保険営業の仕事を個人事業主として行う場合、正社員では得られないメリットを感じることができます。
以下は、個人事業主の保険営業が持つ主なメリット5つです。
社会保険や節税に関するメリットのほか、収入やスキルの向上に繋がる点もポイントです。
また、企業や組織に縛られない自由な働き方ができることから、ワークライフバランスの取れたゆとりのある生活を実現できます。
個人事業主の保険営業へ転身を希望している方は、5つの魅力について改めて確認してみましょう。
それでは、各メリットについて詳しく説明していきます。
個人事業主の保険営業には、保険会社の社会保険に入れるというメリットがあります。
一般的な個人事業主の場合、「国民健康保険」「国民年金・国民年金基金」「介護保険」という3つの社会保険に加入します。
正社員が加入する「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険」「労災保険」とは種類が異なっているほか、数が少ない点も特徴です。
しかし、保険営業の仕事を担う個人事業主の場合は、正社員が加入している4つの社会保険に加入できるという特典があります。
失業や労災に関する保証がされることから、精神的不安の少ない環境で働くことができます。
ただし、正社員と同じ4つの社会保険に加入できるのは、インセンティブ制度で働く個人事業主の保険営業のみです。
完全歩合制のフルコミッションは、一般的な個人事業主と同様に扱われるので注意しましょう。
尚、インセンティブ制度で働く場合も、契約内容や加入する保険に関する詳細をよく確認することが大切です。
保険営業の仕事を個人事業主として行うメリットに、努力次第で収入アップを狙える点が挙げられます。
個人事業主の保険営業は、獲得契約数と報酬が比例しています。
契約数が少なければ収入が減る、多ければ収入が増えるという仕組みになっており、がんばった分だけしっかりと稼ぎに反映される報酬形態です。
個人が獲得できる契約数や収入の上限などは設けられていないため、コツや実績を培うことで年収数千万円を稼ぐ売れっ子の保険営業を目指せます。
また、個人事業主の保険営業は、モチベーションを向上させやすい点もポイントです。
基本給が少ないインセンティブ制度やフルコミッションで働く個人事業主の場合、常に営業の成果を上げる方法を模索する傾向にあります。
成果を上げるために努力や学習をする、ノウハウを活かして契約を勝ち取る、契約数の増加と共に報酬が上がるという好循環になりやすく、高いモチベーションの維持が高収入に繋がる働き方です。
保険営業の仕事を個人で行う場合、節税ができるというメリットがあります。
個人事業主は、所得税、消費税、住民税、事業税の計4種類の税金を納める必要があります。
この中で節税しやすいとされる税金が、1年間の所得に応じて課税額が決まる所得税と、前年度の所得を基に課税額が算出される住民税です。
個人事業主には、所得額と課税額が比例する累進課税制度が採用されています。
所得額が増えれば増えるほど課税額が大きくなるため、所得額を減らすことが節税対策に直結しています。
所得額の計算方式は「収入―経費=所得額(課税額が決まる金額)」となっており、課税額を減らすポイントは経費です。
個人事業主の保険営業が計上できる主な経費には、仕事着、交通費、ガソリン代、パソコン代、電話代、文房具代、書籍代などが含まれます。
経費を多く計上することで所得税と住民税を減らせるので、節税効果が高めながら事業を行えるという経済的なメリットがあります。
個人事業主の保険営業は、自由度の高い働き方ができます。
企業や組織に属する正社員の保険営業と異なり、個人事業主には正確な勤務時間が設けられていません。
稼働時間もその日によって変えられることから、自身にとって働きやすい時間帯や曜日に仕事ができます。
勤務場所に関する自由度も高く、サテライトオフィス、カフェ、自宅などから選べるというメリットがあります。
子育てや介護と並行しながら働くこともできるので、私生活を優先しながら仕事をしたい方におすすめです。
また、労働基準法が適用されない個人事業主の保険営業には、稼働時間や勤務時間に関する制約がありません。
何時間働いても問題が生じないので、報酬アップを目指して無制限に働くこともできます。
「先月は労働時間が短かったから今月は倍の時間働こう」「昨日は夜間に働いたから今日は遅めのスタートにしよう」といった労働時間の調整もしやすく、ワークライフバランスが取りやすい働き方です。
自身の成果が100%収入に反映される個人事業主の保険営業には、常にスキルアップを意識しながら働けるというメリットがあります。
一口に保険営業と言っても、培うべきスキルはさまざまです。
顧客と円滑なやり取りを進めるためのコミュニケーション能力、保険を売り込むためのプレゼン能力、顧客が求めるニーズを聞き出すヒアリング力、的確な提案をするためのコンサルティング能力のほか、既存顧客の保険内容が合っているか否かを見極めて相談に乗るアフターケアスキルも必要となります。
基本給が保証されている正社員の場合、「スキルアップしなくても最低限の給料がもらえる」という安心感からスキルアップへのモチベーションを維持しにくいという特徴が見られます。
一方で個人事業主は、保険営業のスキルアップが高収入に直結する歩合制のパターンが一般的です。
モチベーションを向上させやすいので、スキルアップの機会を常に模索する働き方が実現できます。
ワークライフバランスや経済的なメリットなどが特徴的な個人事業主の保険営業ですが、デメリットも存在します。
個人事業主の保険営業に興味がある方は、デメリットについてもきちんと理解するように心掛けましょう。
イメージだけで個人事業主の保険営業に転身した場合、思わぬ後悔や問題に直面する可能性があります。
保険営業を個人で行うということを多方面から見つめ、自身に合う働き方かどうかをよく考えてください。
以下は、個人事業主の保険営業が感じる4つのデメリットです。
個人事業主の保険営業は、不安定さが目立つ働き方です。
企業や組織の後ろ盾がない状態で働く分、1人でさまざまなことに対応していく必要があります。
保険営業を個人で行うリスクや不便さを確認し、転身するかどうかの判断材料に役立ててください。
では、各項目について詳しくチェックしていきましょう。
個人事業主として保険営業を行う最大のデメリットは、給料の保証がない点です。
企業や組織に所属して働く場合、労働基準法により労働対価である給料が保証されています。
一方で、個人が独立して事業を行っている個人事業主の場合は、労働基準法の適用外です。
法律によって給料が保証されているわけではないため、不安定かつハイリスクな働き方となっています。
通常、個人事業主の保険営業は、フルコミッションかインセンティブ制度で働きます。
フルコミッションは完全歩合制となっており、獲得した契約数が収入に反映される報酬形態です。
そのため、契約が1つも取れない場合、その月の収入はゼロ円となってしまいます。
インセンティブ制度は、歩合制+基本給となっているのが特徴です。
基本給が付くので最低限の収入は確保できるものの、委託契約を結んでいる会社によっては10万円以下というケースも多々あります。
安定した収入の確保ができないため、経済的・精神的負担が大きくなっています。
個人事業主の保険営業には、各種手当が付かないというデメリットが存在します。
正社員として働く場合、労働基準法により最低限の保証や権利が守られています。
残業手当、休日出勤手当、有給休暇といった各種手当が付く仕組みになっており、肉体的・精神的・経済的な負担を抑えながら働ける点が特徴です。
しかし、企業や組織に所属していない個人事業主には、それらの手当が一切ありません。
労働基準法の適用外なので、土日や夜間に働いても手当が出ない働き方となっています。
労働時間が定められていない個人事業主には、時間に縛られることなく働けるというメリットがあります。
その一方で各種手当が付かないことから、長時間労働しても収入に繋がるか分からない、心身ともに追い詰められやすいといった問題点も併せ持つ働き方です。
また、労働基準法が適用されない個人事業主に過度な労働を強いる業務委託会社もいるため、個人事業主として働く際は注意が必要です。
個人事業主の保険営業として働く場合、休みが全くない可能性があります。
労働基準法の適用外である個人事業主には、決まった労働時間が定められていません。
1日の稼働時間、働く時間帯や曜日が全て保険営業の仕事次第となるため、24時間365日体制で働く覚悟が必要です。
保険営業の仕事では、契約に繋がる可能性がある見込み客や既存顧客を最優先に考えて働かなければなりません。
常に見込み客や既存顧客の希望の時間に合わせて訪問する必要があり、土日や夜間にアポイントが入ることも多々あります。
特に売れっ子の保険営業になるとスケジュール調整が難しくなることから、休みなく働くことも一般的です。
また、委託契約を結んでいる会社によっては、契約獲得に対するプレッシャーを感じる場合もあります。
成果次第では休日を返上して働くといった対応を迫られることもあるので、個人事業主=好きな時に休めるというわけではないことをしっかりと理解しましょう。
個人事業主の保険営業へ転身したい方は、経費が自己負担になるという点に注意しましょう。
企業や組織の中で働く場合、業務に関連した出費は経費として落とすことができます。
領収書を提出することで経費精算されるため、支払った経費が返ってくる仕組みになっています。
一方、自身が事業主である個人事業主の場合は、全額自費で対応しなければなりません。
接待費、交通費、通信費をはじめとする業務にかかる経費を全て自分でまかなう必要があるため、経費の管理を徹底するよう心掛けましょう。
尚、個人事業主として保険営業の仕事をする場合、経費を計上することで支払う税金を減額することができます。
節税対策には有効な手段となっているものの、経費の支払いがなくなるわけではありません。
かかった経費=自分自身が個人事業主として支払わなければならないお金だという図式をしっかりと理解し、経営不振や経営破綻といった最悪の事態に陥らないように気を付けましょう。
個人事業主の保険営業は、企業や組織に所属することなく個人で保険営業の仕事を行うことです。
保険会社の社会保険に加入できる、努力次第で高収入をゲットできる、節税がしやすい、フレキシブルに働ける、自身のスキル向上が狙えるといった特徴があり、個人事業主だからこそ得られるメリットが大きい働き方となっています。
しかし、給料に関する保証がなく収入が不安定である点や、各種手当や休みがないといったデメリットについても深く考えなければなりません。
デメリットについて具体的にイメージしないまま個人事業主になった場合、肉体的・精神的疲労や経営破綻に繋がる恐れもあります。
また、個人事業主の保険営業へ転身を検討している方は、正社員との違いについても理解を深めることが大切です。
個人事業主と正社員では、給与・報酬形態や収入金額が大きく異なります。
正社員には義務付けられていない確定申告の対応などもあるため、個人事業主が自身に合う働き方なのかどうかをしっかりと検討しましょう。
個人事業主の保険営業は、メリットとデメリットの両方を兼ね備えた働き方です。
どちらか一方だけが良いというわけではないので、自分自身との相性を多方面から見極めてください。