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2022.06.02

フリーランスの雑所得とは?事業所得との違いも解説

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確定申告を行うフリーランスの人にとって、所得区分を正しく理解しておくことは非常に重要なこと。一口に所得といってもさまざまな種類があるなかでも、事業所得と雑所得はとくに違いがわかりづらいと感じている人が少なくないはずです。

 

本記事では、雑所得とは何なのかや、事業所得や雑収入との違い、確定申告の必要有無などについて解説します。フリーランスにとっての雑所得とは何が対象になるのかがイマイチよくわからないという人は、ぜひ参考にしてみてください。

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    雑所得とは?

    雑所得とは?

    雑所得とは、10種類ある所得区分のうち、ほかの9種類のように特定の名称がついた所得ではないもののことをいいます。公的年金やフリマアプリで得た収入、アフィリエイト収入、FXでの収入などがよくある例です。

     

    特定の名称がついていないとはいえ、個人所得のなかでは給与所得・事業所得・不動産所得に次いで申告が多い所得といわれています。サラリーマンの副業も雑所得に該当するため、副業を認める企業が増えてきた時代背景からも、雑所得の申告が多いのだと考えられます。

    10種類の所得区分

    前項で説明した10種類の所得区分を、以下の表で紹介します。

     

    所得名

    内容

    利子所得

    預貯金や公社債の利子、合同運用信託、公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る所得

    配当所得

    株主や出資者が法人から受け取る配当や、投資信託、特定受益証券発行信託の収益分配などに係る所得

    不動産所得

    土地や建物などの不動産や借地権など不動産の上に存在する権利、船舶や航空機の貸付けによる所得

    事業所得

    農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業などの事業から生じる所得

    給与所得

    勤務先の会社から受け取る給与や賞与

    退職所得

    退職に伴い勤務先の会社から受け取る退職手当や厚生年金基金等の加入員の退職に基因して支払われる厚生年金保険法に基づく一時金などの所得

    山林所得

    山林を伐採して譲渡したり、立木のまま譲渡することによって生じる所得

    譲渡所得

    土地、建物、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生じる所得や、建物などの所有を目的とする地上権などの設定による所得で一定のもの

    一時所得

    利子所得から譲渡所得までのいずれの所得にも該当しないもので、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外のものであり、労務その他の役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得

    雑所得

    ほかの9種類の所得区分に該当しない所得

     

    出典:所得の区分のあらまし|国税庁

    事業所得との違いは?

    事業所得との違いは?

    事業所得とは、簡単にいうと事業活動によって得た所得のことです。前項で紹介した表では、「農業や漁業、製造業など事業から生じる所得」とされています。サラリーマンの場合は、主たる収入が給与所得であるため、副業をして得た収入は雑所得という扱いになるのが特徴です。

     

    ただし、仮に副業の規模が大きくなった場合、額によっては事業所得として申告することが可能になるケースもあります。

     

    フリーランスの場合は、仕事をして得たお金は原則すべて事業所得です。仮にフリーランスの人が本業以外で何らかの収入を得た場合は、雑所得として扱われます。例えば、本業がWebエンジニアである一方、フリマアプリで一定の収入を得ていた場合、フリマアプリでの収入は雑所得として申告することが必要です。

    これは雑所得?それとも事業所得?具体例で紹介

    これは雑所得?それとも事業所得?具体例で紹介

    雑所得と事業所得を正しく区別するのは難しいもの。以下では、具体例を挙げて雑所得か事業所得かを紹介します。

    サラリーマンの副業

    サラリーマンの副業は、原則として雑所得扱いになります。サラリーマンが副業する場合は、給与所得と雑所得の2つの所得が生じます。もし副業での所得が20万円を超えた場合は、確定申告が必要です。

     

    仮に副業の規模が大きくなり、事業所得として認めてもらえるレベルにまでなった場合には、事業所得として申告することができます。

     

    確定申告の必要有無について詳しく知りたい人は、以下の記事をチェックしてみてください。

     

    参考記事:フリーランスの確定申告はいくらから?主婦など働き方別に必要有無を解説!

    フリーランスの収入

    フリーランスや個人事業主の人の収入は、原則事業所得として扱います。ただし、先述したとおり、本業以外での収入がある場合は雑所得として扱う点には注意が必要です。

     

    本業とは別でフリマアプリで収入を得ている人、FX投資をしている人、せどりを行っている人など、ちょっとした趣味程度のものから発生している雑所得であっても、個人事業主の場合は確定申告が必要です。

     

    サラリーマンのように、雑所得が20万円以下なら確定申告は不要というルールは適用されないため、注意しましょう。

    ネットオークションやフリマアプリでの収入

    サラリーマンとして給与所得を得ている人や、フリーランスで別に本業がある人の場合は、ネットオークションやフリマアプリでの収入は雑所得になります。

     

    配偶者の扶養に入っている主婦や主夫の人の間でもネットオークションやフリマアプリが流行っていますが、サラリーマンの副業と同じく所得が20万円を超えた場合は雑所得として確定申告をしなければいけません。

    先物取引やFX取引で生じた利益

    先物取引やFX取引で生じた利益は、雑所得です。ほかの副業と同様に、1年間の所得が20万円を上回った場合は確定申告が必要です。

    書籍などの印税や講演料

    書籍などから得る印税や講演料は、本業がほかにある場合は雑所得になります。日頃から書籍の執筆を本業としている人や、セミナーでの講演を本業としている人の場合は、事業所得扱いで問題ありません。

    フリーランスの雑所得は確定申告が必要?

    フリーランスの雑所得は確定申告が必要?

    フリーランスの人で本業以外の雑所得がある場合、20万円以下なら確定申告不要というルールが適用されないため、原則として確定申告が必要です。

     

    仮に収入が雑所得しかない場合であれば、48万円を超えると確定申告を行う必要があります。なぜ48万円なのかというと、基礎控除というものがあるためです。基礎控除とは、誰にでも適用される控除のことで、一律で48万円を控除してもらうことができます。

     

    ほかに収入がなく、かつ雑所得が48万円以下であれば、基礎控除を適用すると課税所得がなくなるため、確定申告は不要です。

     

     

    雑所得にかかる税金の計算方法

    雑所得にかかる税金の計算方法

    雑所得の計算方法には、以下の3種類があります。いずれも、算出した額に以下表の税率をかけて計算すると、税額がわかります。

     

    課税される所得金額

    税率

    控除額

    1,000円 から 1,949,000円まで

    5%

    0円

    1,950,000円 から 3,299,000円まで

    10%

    97,500円

    3,300,000円 から 6,949,000円まで

    20%

    427,500円

    6,950,000円 から 8,999,000円まで

    23%

    636,000円

    9,000,000円 から 17,999,000円まで

    33%

    1,536,000円

    18,000,000円 から 39,999,000円まで

    40%

    2,796,000円

    40,000,000円 以上

    45%

    4,796,000円

    参照:国税庁HP

     

    • 公的年金の雑所得

    公的年金等の雑所得金額 = 収入金額 – 公的年金等控除額

     

    • 業務に係る雑所得(営利目的の継続的な副業)

    業務に係る雑所得 = 総収入金額 – 必要経費

     

    • その他の雑所得(上記2つに当てはまらないもの)

    その他の雑所得 = 総収入金額 – 必要経費

     

    副業をしているサラリーマンを例に出すと、副業で得ている総収入金額が100万円、必要経費が20万円の場合、以下のような計算ができます。

     

    100万円(総収入金額) – 20万円 (必要経費)× 5%(税率) = 4万円(税額)

    雑所得にも経費が認められる

    フリーランスの事業所得と同様に、雑所得にも経費が認められます。事業所得のケースと変わらず、その収入を得るためにかかった費用であれば経費にすることが可能です。

     

    例えばフリマアプリで自分のハンドメイド作品を売っている人だと、ハンドメイド作品を作るために購入した手芸用品や文房具などの費用を、経費として計上することができます。ほかにも、FX取引に使うパソコンや通信費なども、必要経費とすることが可能です。

     

    また、仮に商品の仕入れに車を使用した場合は、ガソリン代などを経費にすることができますが、プライベートで使う車と同じものを使用している場合は一定額しか経費にできません。自家用の割合と仕事用の割合を算出し、仕事に使った割合分しか経費にできない点に注意しましょう。

    フリーランスの雑所得に関するQ&A

    フリーランスの雑所得に関するQ&A

    最後に、フリーランスの雑所得に関してよくある疑問をQ&Aで紹介します。

    雑所得のあるフリーランスは確定申告を青色申告で行える?

    収入が雑所得しかない場合は、青色申告ができません。青色申告は事業所得がある場合にしか適用されないため、注意しましょう。本業での事業所得に加えて雑所得があるフリーランスの場合は、青色申告が可能です。

     

    また、雑所得のみしか収入がない場合は、ほかにもデメリットがあります。給与所得等との損益通算ができない、青色事業専従者給与が利用できない、純損失の繰越しと繰戻しができない、30万円未満の少額減価償却資産の特例が適用されないなどが挙げられます。

    雑所得を事業所得として確定申告するには?

    税法上、雑所得として区分されているものは、必ず雑所得として申告しなければいけません。事業所得として申告した方がメリットが大きいからといって事業所得と偽ると、脱税にあたり厳しく罰せられます。

     

    先述したように、副業の規模が大きくなれば事業所得として認めてもらうことが可能ですが、これには明確な基準がありません。相当な年数継続して行っている副業で、安定収入が得られており、さらに毎日継続してある程度の労力と時間をかけているという条件がそろえば、認めてもらえることがあります。

    フリーランスの雑所得と雑収入の違いはなに?

    雑所得は、所得税法で定められている10種類の所得のうちのひとつです。雑収入は、事業所得のなかの売上以外の収入のことをいいます。例えば、事業を行うなかで発生した現金の過不足や損害賠償金、保険金、ご祝儀、補助金や助成金などが雑収入の例として挙げられるものです。

     

    雑収入と雑所得を間違えて申告してしまうと、青色申告が受けられなかったり、そのほかのメリットが受けられなかったりするため、気をつけましょう。

    フリーランスの雑所得まとめ

    フリーランスの雑所得まとめ

    本記事では、雑所得の概要やフリーランスと雑所得の関係などについて解説しました。フリーランスの場合は、本業以外の収入は雑所得という扱いになります。また、収入が雑所得しかない場合でも、所得が48万円を超えたら確定申告が必要です。

     

    フリマアプリやネットオークションは趣味に近いものでもあるため、得た収入は見落とされがちですが、フリーランスの人はもちろん副業の人でも20万円以上稼いだ場合は確定申告が必要になるため、注意しましょう。

     

     

     

     

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