確定申告には青色申告と白色申告がありますが、青色申告は2種類あるため、申告の方法としては全部で3種類あります。よく“青色は難しい” “白色は簡単”と言われますが、実際どのように違うのか比べてみましょう。
①青色申告(65万円控除)
青色申告をすると、「青色申告特別控除」を受けることができます。ですがただ青色申告をすれば良いというわけではなく、「所得税の青色申告承認申請書」を提出して承認を受けなければ、特別控除は受けられません。青色申告承認申請書は、開業の日から2か月以内、または青色申告にしたい年の3月15日までに税務署へ提出しなければなりませんので注意しましょう。
<提出書類>
・確定申告書B
・確定申告書に添付する各種控除関係の書類
・青色申告決算書
「確定申告書に添付する各種控除関係の書類」とは、マイナンバーが確認できる書類と本人確認書類の写し、また生命保険料や住宅ローン等を支払っている場合の控除証明書等のことです。
「青色申告決算書」とは、損益計算書、損益計算書の明細書、貸借対照表が一体になったものです。損益計算書では収入と支出を記載して所得を算出し、貸借対照表では1月1日(期首)と12月31日(期末)の時点で資産や負債がいくらあるのかを記載します。
最大65万円の特別控除を受けるには、さらに以下3つの条件全てを満たす必要があるので確認しましょう。
1) 事業所得を得ていること
2) 1)の所得について、複式簿記で帳簿付けをしていること
3) 青色申告特別控除額を記載した確定申告書Bとともに、2)の帳簿に基づいた損益計算書と貸借対照表を提出すること
帳簿付けは大変ですが、65万円の特別控除があることによって課税所得が減り節税になるほか、同一生計の家族へ給与を支払っている場合にその金額を経費とすることができたり、30万円未満の減価償却資産(本来であれば数年に分けて経費として償却しなければならないもの)を一括で経費とすることができたりと、申告者にとってメリットが多いのも青色申告です。
②青色申告(10万円控除)
青色申告承認申請書の提出が必要なことや提出書類等、基本的には65万円控除の場合と同様です。65万円の特別控除を受けるための3つの条件を満たせなかった場合に、特別控除は最大10万円になると考えて良いでしょう。
特別控除が最大で10万円で良いという場合、貸借対照表の記載が必要なく簡易的な帳簿付けが認められているので、提出書類の作成がやや簡単になります。
③白色申告
青色申告と比べると、提出する書類が少なく簡易的に済むのが白色申告です。
<提出書類>
・確定申告書B
・確定申告書に添付する各種控除関係の書類
・収支内訳書
「確定申告書B」と「確定申告書に添付する各種控除関係の書類」は青色申告と同様です。そして「青色申告決算書」がない代わりに「収支内訳書」の提出が必要となります。
「収支内訳書」とは、いつ・誰と・どのような取引がいくらあったのかを記載したものです。もちろん一つ一つの取引ごとに帳簿付けをするのが好ましいですが、日ごとの合計額をまとめて記載するだけの方法も許されているので、この方法ならさらに簡潔になります。