MONEY
2022.12.29
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旅客や荷物などをのせて運送することで利益を生む自動車は、個人向けの自動車保険ではなく法人向けの自動車保険に加入する必要があります。自家用車で事故を起こしたときよりも事業用の車で事故を起こしたときのほうが被害範囲は大きくなりやすいため、必ず加入しておくことが重要です。
本記事では、法人向けの自動車保険について、主な補償内容やメリット・デメリット、加入に必要な書類などを紹介します。保険料の相場やおすすめの商品も紹介するので、法人向け自動車保険への加入を検討している人は最後までチェックしてみてください。
目次
法人向けの自動車保険とは、事業用に使う自動車に対してつける保険です。加入することで、業務中の運転により事故を起こした場合に備えることができます。
自動車を運転することで直接的に利益を生む場合は、個人向けの自動車保険には加入できないため、法人向けの保険に加入することが必要です。例えば、タクシーや観光バス、トラックなど運転することによって利益が直接生まれる場合は、法人向けの自動車保険にしか加入できません。
事業用といっても、単に顧客の事業所へ行くために利用したり、通勤に利用したりするだけであれば直接利益は生まないため、個人向けの自動車保険でも加入は可能です。
直接利益を生まない場合であっても、事業用であれば法人向けの保険に加入することをおすすめします。法人が事業を行う上でカバーしておきたい補償が用意されているため、より安心感が高い状態で車を利用することが可能です。
次に、法人向け自動車保険についている主な補償の内容や特約の内容を紹介します。
主な補償内容には、以下4つが挙げられます。
対人賠償保険とは、自動車で事故を起こし、相手に怪我を負わせたり死に至らしめてしまったりしたときのためのものです。相手が死傷してしまった場合には、事故を起こした人に損害賠償責任が発生します。自動車を運転するにあたって全員が加入しなければいけない自賠責保険でも多少はカバーできますが、全額をまかなうことは難しいのが現状です。
自賠責保険ではカバーしきれない部分を、別途自動車保険に加入することで補償してもらうことができます。相手の治療費や精神的損害、休業損害など発生した損害に対して支払わなければいけない費用を補償してくれるのが特徴です。
対物賠償保険は、自動車で事故を起こしたことで、相手の自動車やそれ以外の財物などを壊した場合に補償してくれるものです。仮に相手が所有する自動車とともに家など建物にも被害を出してしまった場合は、自動車だけでなく建物の修理費用なども補償してくれます。
相手の財物を壊してしまったことにより、相手が仕事をできなくなったりした場合には、休業に伴う損害もカバーしてくれるのが特徴です。
対人賠償保険に対して、人身傷害保険は運転者本人や同乗者に対する損害をカバーしてくれるものです。運転者本人や同乗者が怪我をしたり死亡したりした場合に、治療費や精神的損害、逸失利益などを支払ってくれます。
労働者災害補償制度から給付があった場合や、事故の相手側から賠償金が支払われた場合には、その額から差し引いた金額のみが支払われる点には注意が必要です。
車両保険は、保険の対象である自動車自体の損害を補償してくれるものです。事故以外にも、火災や盗難などで生じた被害も補償され、自動車の修理費用を支払ってくれます。
特約は各保険によってさまざまなものが用意されています。一例は以下のとおりです。
上記のように、特約の種類はさまざまです。自社の事業内容や、起こりうる事故やトラブルの内容にあわせて、あった特約をつけることが重要といえます。
なかでもロードアシスタンスサービスは、多くの人が加入する特約のひとつです。事故時のレッカーでの牽引や宿泊および帰宅費用の補償、パンクやガス欠時の対応などに備えることができます。
法人向けの自動車保険へ加入する際に知っておかなければいけないのが、契約方法です。法人向け自動車保険にはフリート契約・ノンフリート契約・ミニフリート契約があります。以下でそれぞれ詳しくチェックしてみましょう。
フリート契約とは、会社で所有している自動車が10台以上ある場合に契約できる方法です。10台以上の自動車をひとつの保険で一括管理するタイプで、1台ごとの保険料が割安なのがメリット。
事故を起こしていなければ、最大で70〜80%もの大幅な割引が受けられるのも魅力です。この割引は契約者単位で受けられるものなので、契約する台数が増えてもすべて同じ割引率で加入することができます。年齢が若いと保険料は高くなるのが一般的ですが、フリート契約はまとめて契約するため若い社員が多くても安心です。
ただし、どれか1台だけでも事故を起こしてしまうと、ほかの車の保険料にもまとめて影響が生じてしまうのがデメリットです。割引もまとめて同じように受けられるのと同様に、事故を起こしたときの影響もすべての車に影響するため注意しましょう。
ノンフリート契約は所有する車が9台以下のときに利用するものです。契約は車両1台ごとに行うので、保険料や割引率も1台ごとに異なります。
フリート契約とは反対に、保険料が割高な傾向にありますが、どれか1台が事故を起こしてもほかの車の保険料には影響しません。年齢による割引も車両ごとに受けられるため、年齢層の高いベテランの社員が多ければ多いほどお得です。
割引率があまり高くない点と、更新の手続きも1台ごとにやらなければならず手間になる点は、デメリットといえます。
最近では、2〜9台の契約でもフリート契約が結べるミニフリート契約も存在しています。フリート契約と同じく1つの契約でまとめることができ、割引率もフリート契約と同等に受けることが可能です。
一括で管理できる点や、台数に応じて割引がある点など、フリート契約と同様のメリットを受けることができます。少しでも保険料を抑えたい場合におすすめですが、取り扱っている保険会社には限りがあるため、事前に確認が必要です。
法人向け自動車保険に加入するメリットも、以下で把握しておきましょう。
保険に付帯させられる特約のなかには、法人向けにしかない特約があります。例えば、企業・団体見舞費用特約では、従業員が起こした交通事故によって死傷した人へ支払う見舞い金や、葬儀へ参列する際の費用を補償してくれるのが特徴です。
安全運転教育費用特約では、対人や対物事故の加害者になってしまった従業員に対し、安全運転教育を行うために発生した費用を補償してくれます。休車費用特約では、事故や災害などで破損した自動車を修理に出していることにより、その間得られるはずだった費用を損害とみなして保険金を支払ってくれるのが特徴です。
法人向け自動車保険を契約しないと受けられないものが豊富にあるので、自社にあった特約を探して比較してみてください。
法人向け自動車保険の保険料は、必要経費として計上することが可能です。保険料は決して安くはないので、大きな節税効果が期待できます。
保険料以外にも、ガソリン代や車検費用、車両代金なども経費にすることができるので、漏れなく経費計上して損をしないようにしましょう。
これまで個人向けの自動車保険に加入していて、法人化に伴って法人向けの保険に変更する場合は、等級をそのまま引き継ぐことが可能です。ただし、等級が引き継げるのはノンフリート契約のみである点には注意しましょう。
等級を引き継ぐ場合は、法人設立届出書や名称所在地変更届、適用事業所所在地名称変更届の写しがそれぞれ必要です。必要書類は加入する保険の種類によっても変わることがあるので、必ず保険会社に確認しましょう。
メリットにあわせて、法人向け自動車保険のデメリットや注意点もきちんと理解しておきましょう。
法人向け自動車保険では、基本的に補償の範囲が一律で定められているため、各車両や運転者ごとに設定することはできません。車両の用途や運転者の特性ごとに細かく補償内容を設定したい場合でも、基本的にはできないため注意しましょう。
法人契約を結んだあとに、個人契約へ変更することはできません。個人契約にしたい場合は、別途また新規で契約する必要があります。仮に個人向けの保険から等級を引き継いで法人保険に変更していた場合、もう一度等級を引き継いで個人向け保険へ戻すことはできません。
等級が変わることで、保険料が高くなるケースもあるので注意が必要です。ただし、法人が解散したあとに個人事業主として事業を引き継ぐ場合には、変更できる可能性もあります。該当する場合は、保険会社に相談してみましょう。
法人向けの自動車保険に加入する際には、選び方のポイントをおさえて商品を選ぶことが重要です。以下で重要なポイントをチェックしてみてください。
法人向け自動車保険に加入する際には、お得な割引が適用できるものを選んでみてください。割引は保険によってさまざまですが、一例は以下のとおりです。
会社の状況や従業員の特性などによっても、適用できる割引は異なります。まずは各社が用意している割引の内容を比較し、自社に適用できそうな割引が多いところを選んでみるのもひとつの手です。
補償される金額の上限は保険料に応じて決めることができますが、対人賠償保険と対物賠償保険は無制限に設定しておくことをおすすめします。
対人事故による被害は想定できず、相手を死亡させてしまった場合には多額の請求をされる可能性が高いため、対人賠償保険は必ず無制限で加入しましょう。対物賠償保険は、1,000万円や5,000万円、少ないと500万円などに設定する場合もありますが、同じく無制限で加入しておくことをおすすめします。
これまでに起こった対物事故では、1億円〜2億円を超える額の損害賠償請求が発生している事例が多数あります。事故はいつどんなタイミングで、どんな規模で起きるかわからないため、いずれも無制限で加入しておくと安心です。
特約は保険によってさまざまなものが用意されているので、自社の業種や自動車の用途にあった特約を用意している保険に加入することが重要です。
とくに運送業では、さまざまな自動車によるトラブルが想定されます。積載していた商品などに対して補償が受けられる事業用積載動産特約や、受託貨物が運送中に損害を負った場合に補償を受けられる受託貨物賠償責任特約などを視野に入れておきましょう。
それ以外にも、事故が多いといわれる年齢の若い従業員が多い場合には、補償を手厚くできるような特約を用意した保険に加入するなど、自社の状況に合ったものを探すことが重要です。
法人向け自動車保険に加入する場合に必要な書類もチェックしておきましょう。保険会社によってさまざまですが、以下で一般的に必要な書類を紹介します。
上記はあくまでも一般的に必要だといわれるものなので、詳細は保険会社に確認して正しく書類を準備しましょう。
法人向け自動車保険の多くが店舗で対面契約を行うため、以下では対面での手続きの流れを紹介します。
基本的な流れは上記のとおりシンプルです。加入する流れの前には、もちろん対面でスタッフに相談しながらどんな保険がいいかを決めることができます。
以下では、おすすめの法人向け自動車保険を紹介します。自社にあった保険があるかどうか、チェックしてみてください。
チューリッヒの自動車保険は、法人でも契約が可能な保険です。契約できるのは5台までと決まっているので、小さい企業や車両を扱う数が少ない企業に適しています。
法人契約であってもロードサービスは個人向けと同様に無料で、内容も同じものを適用することが可能です。レッカーは100kmまで無料、ガス欠給油は10Lまで無料、事故や故障時には365日24時間現場へ急行など、手厚いロードサービスが無料で受けられます。
ただし、大型トラックなどの1ナンバーや特殊な使い方をする8ナンバー、改造車などは契約の対象外なので注意しましょう。法人向けの見積もりは電話からのみで、インターネットからはできない点にも注意が必要です。
インターネットから申し込みができるSBI損保の法人向け自動車保険は、リーズナブルな保険料が魅力の商品です。インターネットからの申し込みで保険料が14,000円割引されることに加え、ダイレクト型自動車保険ゆえの安さが魅力といえます。
16等級のクラウンの場合だと、保険料は年間一括払いで51,710円、月払いで4,640円と非常にリーズナブルなのが特徴です。20等級のプロボックスだと、年間一括払いで55,900円、月払いで5,020円に。
保険料は安くても、基本的な補償に加えて法人のニーズにあわせたさまざまな選べる特約も用意しています。年齢条件による割引などもあるので、安さを重視する場合はSBI損保を検討してみてください。
AIG損保の法人用自動車保険は、顧客ごとのニーズにあわせてしっかりとコンサルティングを行ってプランを提案してくれる商品です。事故対応は24時間365日受け付けており、受け付けだけでなく対応まで即座に行ってくれます。
ノンフリート多数割引も用意されており、契約者を記名被保険者として2台以上の自動車を1つの保険証券で契約すれば、台数に応じて3〜7%もの割引を受けることが可能です。運転する人に応じて年齢条件を設定できる点も魅力といえます。
バッテリー上がりやパンク、鍵閉じ込み、ガス欠、オイル・冷却水補充、30分程度の応急修理など、万が一のトラブルときにも即座にかけつけて対応してくれます。レッカーでの無料運搬距離は、事故や故障の現場から最大で400kmついているのもうれしいポイントです。
最後に、法人向け自動車保険に関してよくある質問を紹介します。
法人向け自動車保険の保険料相場は、加入条件や加入する保険によって大幅に異なります。
対人賠償保険や対物賠償保険を無制限にするなど、ある程度手厚い補償内容にすれば保険料は年間で10〜20万円ほどかかることも。内容を薄くすると、半額の5万円程度に抑えることも可能です。できれば対人賠償保険や対物賠償保険は無制限にしておいたほうが安心感が高いので、およそ年間10〜20万円程度であると認識しておくといいでしょう。
ただし、加入する台数や契約方法、つける特約の種類、等級などによっては大きく保険料が異なる場合もあるため、あくまでも目安としてとらえてください。
法人の所有する自動車でも、1日だけ保険を適用させられる商品もあります。例えば三井住友海上の1DAY保険であれば、法人名義の自動車でも契約することが可能です。ほかにも、コンビニで手軽に加入手続きができるちょいのり保険でも、法人名義の車を受け付けています。
ただし、いずれの場合もレンタカーやカーシェアリングで借りた車(「わ」「れ」ナンバー)は対象外です。個人間で貸し借りした車の場合は、利用することができます。
インターネットで契約できる通販型自動車保険にも、法人向けのものはあります。インターネット申し込みで割引が受けられる場合もあるので、内容が自社にあっていれば積極的に利用したい保険のひとつです。
ただし、通販型自動車保険の場合は、タクシーやトラックなど、自動車によって直接利益を生む緑色や黒色ナンバーは対象外で契約ができません。緑色や黒色ナンバーの場合は、店舗型の保険に申し込む必要がある点は理解しておきましょう。
本記事では、法人向け自動車保険について網羅的に解説しました。事業用の車で事故を起こしてしまった場合は被害が大きくなりやすいため、自賠責保険だけでなく法人向け自動車保険にも加入してしっかり備えておくことが重要です。できれば対人賠償保険や対物賠償保険など被害の大きさが未知のものは、無制限に補償をつけておくことをおすすめします。
また、車を使って利益を直接生むタクシーやトラックの場合は、個人向け保険には加入できず法人向けにしか加入はできないため理解しておきましょう。法人向け自動車保険にはメリットやデメリットがそれぞれあるので、理解したうえで自社にあった保険を取り扱っている会社を探してみて下さい。