MONEY
2022.04.21
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万が一何かトラブルが起こったときのために、より一層しっかりと備えておくべき必要があるフリーランスや個人事業主。リスクや責任を負ってくれる会社や組織がない以上、何か起きたときには全責任が自分に降りかかります。
個人事業主やフリーランスの人が何かトラブルを起こしてしまったときに、サポートする存在になってくれるのが損害賠償責任保険です。法的な知識や膨大なお金が必要になってしまっても、保険に入っていればカバーすることができます。本記事では、損害賠償責任保険について詳しく解説するので、個人事業主の人はぜひチェックしてみてください。
目次
本記事で解説する個人事業主向けの賠償責任保険とは、働く上で何らかのトラブルによって損害を受けたときに、さまざまな補償をしてくれるものです。不法行為や債務不履行、製造物責任などに基づき法律上の損害賠償責任を負ってしまった場合に、被る損害に対して補償がされます。
補償される内容の詳細は後述しますが、第三者に怪我をさせてしまったり、情報を漏えいさせてしまったり、体調不良等により納期を遅延させてしまったりと、フリーランスや個人事業主の人に起こりがちなさまざまなトラブルとカバーしてくれるのが魅力です。
フリーランスや個人事業主の人は、仕事で何かトラブルが起きてもすべて自分の責任において対処しなければいけないため、保険に入って備えておかなければいけません。会社がリスクを背負ってくれる会社員とは違い、何もかも個人で負担しなければいけないのが個人事業主です。
わざとでなくても、納品物の瑕疵や著作権侵害、情報漏えいなどは十分に起こりえます。万が一クライアントから損害賠償請求をされてしまった場合には、数百万円~数千万円にまでのぼる金額を請求されてしまう可能性もあります。
資産不足で倒産せざるを得なくなってしまうのはもちろん、一生多額の金額を払い続けなければいけない事態になることも十分にありえるので、個人事業主やフリーランスとして働くのであれば、上記のような事態にならないよう賠償責任保険に加入しておくべきです。
以下では、具体的にどんなトラブルが損害賠償請求に発展するのかの例を紹介します。
業務を遂行する上で必要な資料や情報は、仕事を引き受ければ必ずクライアントから共有されるものです。悪意がなくても、パソコンなどを紛失してしまった際に情報が抜き取られてしまったり、ウイルスに感染して情報が漏れてしまったりすることがあります。
クライアントにとって重大な機密情報や、クライアントの顧客リストが漏えいしてしまうと、非常に大きなトラブルに発展しかねません。情報漏えいによりクライアントに損失を与えてしまった場合には、多額の損害賠償請求をされてしまう可能性があります。
クライアントに損失を与えるほどではない多少のミスであれば問題ないものの、損失を与えるほど納品物に問題が生じてしまった場合は、損害賠償請求をされてしまうことがあります。例として考えられるケースは、以下のとおりです。
納品物に関するトラブルは、上記のように多数危険が潜んでいます。悪意がなくても、うっかりしたミスや予期せぬ事故によって引き起こされるものばかりです。
何らかの理由により納期が遅延してしまったことで、クライアントへ損失を与えてしまうことも損害賠償請求の理由のひとつです。遅延の理由に関わらず、損失を与えてしまった場合には賠償責任が生じてしまうことがあります。
例えば、不慮の事故により入院を余儀なくされ、業務が遂行できない状態になってしまった場合であっても、クライアントに損失が出てしまったら賠償責任を負わされる可能性があります。また、事務所が罹災して仕事をできるような状態ではなくなってしまった場合でも同様です。
偶発的な事故や災害はいつ起こるかわからないため、クライアントによっては情状酌量の余地があるとしてくれる場合もありますが、そうならないケースも少なくありません。
著作権侵害も、十分に起こりうるトラブルのうちのひとつです。例えば、以下のようなケースが挙げられます。
ほかのトラブルと同様に、著作権侵害に関してもちょっとした不注意で起こりうるものです。
ここまで解説したような何らかのトラブルを起こしてしまい、損害賠償請求から訴訟へ発展してしまうリスクもあります。損害賠償請求をされた時点で解決できればいいものの、問題がこじれてしまうと訴訟を起こされることも少なくありません。
訴訟を起こすと、起こした側・起こされた側の双方に多大な時間や費用、手間がかかってしまいます。
個人事業主向けの損害賠償保険で補償される主な内容には、以下のようなものがあります。
補償が受けられるケースと受けられないケースについては、保険によって厳密に定められています。
ここからは、賠償責任保険の選び方について解説します。自分に合った適切な保険を選ぶために、参考にしてみてください。
支給される保険金の上限は、無制限か1億円以上で設定されているものがおすすめです。保険会社によって保険金の上限は異なるので、必ず検討軸としてチェックしてください。
損害賠償請求の金額は、損失の程度や過失の割合、契約書の内容などによって決まります。仮に契約書であらかじめ「損害賠償請求額は納品物の報酬と同等まで」のように取り決めていた場合には、さほど大きな金額にならないケースがほとんどです。
しかし、上記のような定めがない場合や、当てはまらないトラブルだった場合には、数十万円から数百万円にわたって請求されることもあります。被害が大きければ大きいほど金額は上がってしまうため、数千万円にのぼることも決してありえないことではありません。過去には、8,000万円ほどの損害賠償請求がされたというケースもあったと言われています。
せっかく保険に入るのであれば、いかなるケースにも備えられるよう、保険金の上限が無制限もしくは1億円以上のものを選んでください。
万が一のトラブルが起きた際に、専門知識を持った保険会社が代わりに相手と示談交渉を行ってくれるサービスがあると安心です。
損害賠償請求をされた場合は、加害者と被害者の双方で話し合いを行う必要があります。話し合いで解決する方法のことを示談といい、示談にするために交渉を行ってくれるのが示談交渉サービスです。損害賠償請求に至ってしまった場合、訴訟にまで発展するまえに示談で解決するのが最も負担が少なく済みます。
とは言っても、知識や経験のない人が示談交渉をするのはなかなか難しいものです。示談交渉サービスがあれば、専門知識を持った保険会社の担当者が代わりにうまく交渉を行ってくれるため、安心感があるうえに最終的な負担を軽減してくれる手助けにもなります。
以下では、個人事業主やフリーランスの人向けに提供されているおすすめの賠償責任保険を紹介します。自分に合ったものを見つけてみてください。
個人事業主やフリーランスの人にありがちなリスクやトラブルを網羅的にカバーしてくれる、フリーランス協会の賠償責任保険です。業務中の対物・対人の事故や、情報漏えい、著作権侵害など幅広い項目が補償の対象とされています。
フリーランス協会の会員になれば自動で付帯するため、協会の年会費1万円だけで加入が可能です。フリーランス協会の会員は、ほかにも多数の福利厚生が受けられたり、フリーランスとして働く上でさまざまな情報が得られたり、人脈につながるデータベースに登録できたりと、保険以外のメリットが豊富にあります。
それらをすべて含めた上で年間1万円の負担なので、非常にお得な保険です。賠償責任保険が目的でフリーランス協会に入るという人も少なくありません。
補償内容 |
一連の損害賠償請求あたりの支払限度額 |
期間中限度額 |
業務遂行中の補償 |
1億円 |
無制限 |
業務結果(PL責任)の補償 |
1億円 |
10億円 |
受託財物の補償 |
1,000万円 |
10億円 |
業務過誤の補償(情報漏えい、納品物の瑕疵、著作権侵害、偶然な事故による納期遅延) |
1,000万円 |
10億円 |
フリーナンスあんしん補償は、フリーランスや個人事業主の人向けにファクタリングサービスや保険サービスを提供しているGMOの「FREENANCE」に付随する保険です。FREENANCEに無料登録をすれば保険に加入できるため、費用は一切かかりません。
無料であるため、保険金は最高で5,000万円と少し安めなのが特徴です。5,000万円でもある程度の損害賠償に対応できるため、ひとまず無料のものに加入しておきたいという人におすすめ。
FREENANCEに登録をすると、ほかに「即日払い」というサービスや、あんしん補償プラスという所得補償保険に加入することができます。即日払いとは、自分の請求書を買い取ってもらい、その代金を即日で講座に振り込んでもらえるというサービスです。手数料は請求書額面の3〜10%かかりますが、どうしても今すぐ手元にお金が必要というときに活用できます。
所得補償保険も60%の割引率で加入ができるため、お得な得点が豊富に受けられるサービスです。
補償内容 |
一連の損害賠償請求あたりの支払限度額 |
期間中限度額 |
業務遂行中の補償 |
5,000万円 |
無制限 |
仕事の結果(PL責任)の補償 |
5,000万円 |
5億円 |
受託財物の補償 |
500万円 |
5億円 |
業務過誤の補償 |
500万円 |
5億円 |
出典:【FREENANCE】
お店のあんしん保険は、店舗を構えて事業を行っている個人事業主やフリーランスの人向けの保険です。店舗内の設備や家主、顧客に対する補償がついています。店舗経営につきものなリスクをまるっと補償してくれるのが特徴です。
また、有料のオプションには、食中毒によって営業停止になってしまった場合や、美容師がヘアカラー剤で顧客に炎症を負わせてしまった場合、顧客を万引き犯として間違えて捕まえてしまった場合の補償なども用意されています。
保険はプランに応じて安いものだと1,000円以下で加入できるケースもあり、オプションもそれぞれ450円〜560円と安価につけられるのが魅力です。
補償内容 |
1事故あたり |
設備・什器等 |
200万円〜 |
借家人賠償責任保険金 |
1,000万円 |
施設賠償責任保険金 |
1,000万円 |
業務過誤の補償 |
500万円 |
万が一のときに賠償責任保険があれば安心ですが、それ以前に極力トラブルに発展しないよう事前に対策を講じておくことも重要です。個人事業主やフリーランスの人は、損害賠償リスクを減らすために、業務委託契約書の内容をしっかりと確認しておきましょう。
まずは、損害賠償の範囲が明確になっているかどうかを確認しましょう。悪気なくうっかりミスを起こしてしまった場合でも損害賠償請求されてしまうのか、もしくは故意によるもの・重大な過失があると認められるもののみなのか、どこまで責任を負わなければいけないかの記載を確認します。
「何らかのトラブルに発展した場合は」などのように、曖昧に記載されていることも少なくありません。いざトラブルに発展した際にもめることになってしまったり、個人事業主側に責任を負わせようとされたりするため、必ず明確にしてもらうよう確認を行いましょう。
次に、賠償額の上限が定められているかもチェックしてください。何か問題が起きた際に、解決するまでずっと無償で対応しなければいけなかったり、解決に必要な費用を上限なく支払わなければならなかったりすると、かなりの負担になってしまいます。
問題が起きたときに金銭で解決するのか、もしくは解決のために無償で対処にあたることで解決するのかも重要なポイントです。できれば、上限は納品物の報酬を限度とするような取り決めがあると安心できます。
なかには、立場の弱い個人事業主やフリーランスにとって不利な内容で契約を締結させようとしてくるクライアントもいます。到底実現できないような納期や品質を約束させてきた場合は、その通りに業務を遂行できず損害賠償請求に至ってしまうリスクが高まりかねません。
契約書は一度サインしてしまうと後から変更するのが難しくなってしまうので、必ず内容をひとつひとつ確認し、明らかに不利な条件になっていないかどうかを確認しましょう。
取引において不当な扱いを受けないために、フリーランスや個人事業主の人にとって関わりの大きい「下請法」について理解を深めておきましょう。下請法とは、1956年に制定された法律で、正式名称は「下請代金支払遅延等防止法」です。
下請法の目的は、業務を下請けする側の人が不当な扱いを受けないようにするためにできたもので、フリーランスや個人事業主の人にも該当します。もし下請法がなければ、弱い立場にある下請事業者側に不公平な取引が行われてしまい、支払いを受けられなかったり、支払いを意図的に遅らせられたりする可能性があるため、非常に重要な法律です。
下請法の対象になる取引には、大きくわけて「製造委託」「修理委託」「情報成果物作成委託」「役割提供委託」の4つがあります。最近増えているIT関係のエンジニアやデザイナー、ライターや編集は、「情報成果物作成委託」にあたります。
下請法において、親会社に禁止されている行為を以下の表にまとめるので、きちんと覚えておき自分が不当な扱いを受けていないかどうか確認するようにしましょう。
禁止事項
概要
受領拒否(第1項第1号)
注文した物品等の受領を拒むこと。
下請代金の支払遅延(第1項第2号)
下請代金を受領後60日以内に定められた支払期日までに支払わないこと。
下請代金の減額(第1項第3号)
あらかじめ定めた下請代金を減額すること。
返品(第1項第4号)
受け取った物を返品すること。
買いたたき(第1項第5号)
類似品等の価格又は市価に比べて著しく低い下請代金を不当に定めること。
購入・利用強制(第1項第6号)
親事業者が指定する物・役務を強制的に購入・利用させること。
報復措置(第1項第7号)
下請事業者が親事業者の不公正な行為を公正取引委員会又は中小企業庁に知らせたことを理由としてその下請事業者に対して,取引数量の削減・取引停止等の不利益な取扱いをすること。
有償支給原材料等の対価の早期決済(第2項第1号)
有償で支給した原材料等の対価を,当該原材料等を用いた給付に係る下請代金の支払期日より早い時期に相殺したり支払わせたりすること。
割引困難な手形の交付(第2項第2号)
一般の金融機関で割引を受けることが困難であると認められる手形を交付すること。
不当な経済上の利益の提供要請(第2項第3号)
下請事業者から金銭,労務の提供等をさせること。
不当な給付内容の変更及び不当なやり直し(第2項第4号)
費用を負担せずに注文内容を変更し,又は受領後にやり直しをさせること。
賠償責任保険は、事業に必要な損害保険であることや貯蓄性がないことから、全額を経費にすることが可能です。事業を営む上で発生させてしまった事故やトラブルに対して備えるものなので、事業以外に使用目的がないとみなされ経費として計上ができるようになっています。
賠償責任保険に支払った保険料を経費として計上する際の仕訳方法と勘定科目は、以下の通りです。
借方勘定科目 |
借方金額 |
貸方勘定科目 |
貸方金額 |
保険料 |
7,000円 |
普通預金 |
7,000円 |
本記事では、個人事業主向けの賠償責任保険について解説しました。何が起きてもすべて自分の責任の下で対処しなければいけない個人事業主やフリーランスの人は、万が一のときに備えて賠償責任保険に入っておくことがおすすめです。
また、保険で備えておくことも重要ですが、何よりトラブルを未然に防ぐことが大切。クライアントと契約を結ぶ際には、賠償責任の範囲が明確かどうかや、不利な条件になっていないかなどを必ず確認しましょう。業務遂行中も、下請法に違反した不当な扱いを受けていないかどうか確認することも重要です。
防げるリスクは未然に回避しつつ、万が一のときのために保険に入っておくといいでしょう。