MONEY
2022.02.24
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フリーランスや個人事業主の人にとって悩みの種になることのひとつが、ローンを組みづらいという問題。残念ながらフリーランスや個人事業主は、会社員に比べて社会的信用が低いと捉えられるケースが多くあります。
とはいえ、住宅ローンや車のローンなど、生きていく上で大きなローンを組まなければいけないシーンは避けて通れません。本記事では、フリーランスの人でもローンは組めるのか、組めないときにはどうすればいいのかなどについて解説します。
目次
結論から言うと、フリーランスや個人事業主の人でもローンを組むことはできます。ローンはしっかりと最後まで返済する能力がある人かどうかが分かれば組めるものなので、フリーランスであっても条件をクリアすれば問題ありません。
ただし、審査される基準が会社員に比べて厳しくなりがちなのは事実です。会社員であれば、それだけで毎月安定した収入が入ってくる保証につながります。フリーランスの場合は、毎月の収入が安定しないことが多く、いつ何が起こるか分からないリスクが高いと判断されやすいのが特徴です。
いつ何が起きるか分からないのは働き方に関わらず誰にでも言えることですが、ローンの審査においてはどうしてもフリーランスや個人事業主の人が不利になってしまいます。とはいえ、条件を満たせば問題なくローンを組むこと自体は可能です。
フリーランスや個人事業主の人がローンを組むには、最低でも独立してから3年以上たっていることが条件になるケースが多い傾向にあります。審査を行う上で必要な提出書類のなかに、直近3年分の確定申告書を提出するよう求められることがほとんどです。
また、確定申告書を提出した場合は、収入ではなく所得に注目されます。仮に収入が1,000万円であっても、経費に800万円かかっていれば所得は200万円なので、審査においてはやや不利になることが否めません。
単純に所得の額を見るケースだけでなく、赤字が続いていないかという観点で見られることもあります。特に国家資格を有する医者や弁護士などは、3年のうち1年だけでも利益が出ていればいいと判断されるケースも。
一口にフリーランスや個人事業主と言っても、業種などによって条件は異なるほか、審査する側の機関によっても基準が異なります。
前項でも触れたとおり、フリーランスや個人事業主の人は、一般的に社会的信用があまり高くないという認識をされてしまうものです。
安定した収入を毎月継続的に受け取れる会社員とは違い、毎月の収入が変動しやすいほか、業績のダメージが個人に直接影響するため、返済能力が見極めづらいとされています。
また、会社員であれば、仮に体調を崩して一定期間働けなくなったとしても、傷病手当等で一定の収入が保証されますが、フリーランスの場合は傷病手当が受けられません。本人が働けなくなったら収入が途絶えてしまうことがほとんどなので、その点においても懸念材料が多いと言われています。
仮に審査に通ってローンが組めたとしても、借入可能額が会社員よりも少なくなるということもあり、希望通りの金額でローンが組めないことも多いのが実情です。
以下では、フリーランスの人がローンを組むときに、審査でチェックされやすいポイントはどんなところなのかについて解説します。フリーランスに限った話ではないものがほとんどですが、フリーランスの場合はより厳しくチェックされると考えてください。
税金や他に借り入れているものへの返済を滞納していないかどうかは、厳しくチェックされるポイントのひとつです。特に税金に関しては、一度でも滞納するとそれだけで審査不合格になる金融機関もあります。
会社員であれば、ローンの審査に必要な書類が源泉徴収や課税証明書だけであるケースが多く、仮に税金が未納になっていても分かりません。税金を一度や二度ほど滞納しただけではブラックリストにも載らないため、金融機関の審査で気づけないことがあります。
一方で、フリーランスの場合は納税証明書の提出を求められることがあり、未納の税金があればその旨を記載されてしまいます。もちろん、すべての金融機関がそれだけで審査落ちさせてくるわけではありませんが、可能性としては高いので注意が必要です。
また、同様に他の借り入れへの返済が滞っているのも危険材料に。そもそもほかの借り入れがある時点でNGが出てしまうこともあります。
他にローンを組んでいる場合は、そのローンでいくら借りているのか、残りの返済額はいくらなのかなどによっても審査結果が左右されます。
また、ローンの数に関わらず、基本的に1人が借り入れられる金額には上限があるため、他に組んでいるローンがある場合は、それと合算したうえでどのくらい借り入れができるのかが判断される点にも注意が必要です。
例えば、収入に対して借り入れられる金額の上限が5,000万円である人がいた場合、仮に住宅ローンですでに4,500万円借り入れているとすると、他にローンを組んで借り入れられる額は500万円です。ざっくりとした例ですが、基本的にはこの考え方になると理解しておきましょう。
頭金として払える金額については、審査の基準というよりも、頭金が多いほど借入金額を少なくできるため、結果として審査が通りやすくなるというものです。
ローンの審査をする際には、返済比率というものが考慮されます。収入に対しての返済がどのくらいの割合なのかを指し示す数字のことで、借入金額が少ないともちろん返済比率も下がります。
頭金として用意できる貯蓄がある程度あるなら、審査に落ちる前になるべく頭金として多めに捻出するのがおすすめです。
先述したとおり、フリーランスの人の場合は、本人の健康状態によって収入が大きく左右される懸念があります。病気で働けなくなる可能性が高いと、ローンの審査にも通りづらくなってしまうのが特徴です。
持病などどうすることもできない問題もありますが、生活習慣で改善できるものは日頃から気をつけておかなければいけません。健康診断の数値が悪いと、病気になる可能性が高いとして審査に通らなくなってしまうこともあります。
ちなみに、健康診断の結果に懸念があるからといって虚偽の申告をするのは絶対にNGです。本当に健康を害したときにバレてしまう可能性が高く、そうなってからでは保証も受けられません。必ず正直に申告しましょう。
ローンに申し込んでみたものの、組めなかったというフリーランスの人も少なくないはず。以下では、ローンが組めないときの対処法や審査に通りやすくするコツについて解説します。
フリーランスの人が少しでもローンの審査をゆるくしたいなら、メガバンクよりも地方銀行や信用金庫を使うのがおすすめです。
地方銀行や信用金庫は、メガバンクに比べてひとりひとりの状況を詳しく見てくれるため、書類上では分からない事情などもヒアリングを行ってくれる傾向にあります。住宅ローンや車のローン以外にも、事業のために借り入れを行いたい場合の相談にも親身に応じてくれるのが特徴です。
もちろんどこにでも言えることではありませんが、一度メガバンクのローン審査に落ちた人は地方銀行や信用金庫で試してみることをおすすめします。
また、普段から報酬の受け取りや支払いなどに使用する銀行を、どこかの銀行にメインバンクとして統一しておく方法も有効です。メインバンクを決めておくことで、普段のお金の流れを銀行側に理解してもらうことができます。
しっかりとお金の流れを示せば、銀行側も融資の判断がしやすくなり、結果として審査が通りやすくなるのがメリットです。
前項でも解説しましたが、税金や国民健康保険料の滞納や遅延には十分に気をつけましょう。
万が一資金繰りに苦しみ、最終的に自己破産などの債務整理を行うことになった場合、何よりも回収が優先されるのは税金です。そうなると、銀行側は貸していたお金を全額回収できなくなる可能性があります。
税金や国民健康保険料の滞納がほかの借り入れへの滞納や遅延よりも厳しく見られるのは、上記が理由です。さまざまな事情や背景を鑑みたうえで考慮してくれる銀行もありますが、一発で審査落ちしてしまうことが多いと思っておきましょう。資金繰りが厳しいときでも、税金や国民健康保険料の滞納だけは避けるようにしてください。
節税をしすぎてしまうと、ローン審査において最も重要ともいえる所得が減ってしまうため、注意しましょう。
フリーランスや個人事業主の人にとって、なるべく支払う税金を少なくするために普段から節税を行うことは非常に重要なことです。とはいえ、節税をするということは、課税所得を減らすことを意味します。
ローン審査では、確定申告書の課税所得を主に確認するため、あまり過度に節税をしてしまうと所得が少ないとみなされ、審査に悪影響を及ぼしかねません。節税はあくまでも常識の範囲内かつ、所得が減りすぎない範囲で調整しましょう。
ここからは、ローンのなかでも住宅に限り、知っておくべき重要なポイントについて解説します。
住宅ローンはあくまでも住居用のローンであるため、その物件の延床面積50%以上が事務所用として使用される前提だと、ローンが通らないことがほとんどです。
もちろん、住宅の一部を事務所として使用する前提で住宅ローンの申請をすることは問題ありませんが、必ず事務所として使用する面積が50%以下になるようにしましょう。
また、住宅ローン減税を受けるときにも「延床面積の1/2以上が居住用であること」が条件として課されます。特に、店舗を構えるための購入だと、事業用面積が広くなりがちです。申請の際には注意しましょう。
住宅金融支援機構が提供する「フラット35」は、フリーランスや個人事業主の人でも利用しやすいローンとして有名です。フラット35は、全国の金融機関が住宅金融支援機構と提携して扱っているローンで、比較的審査が通りやすいと言われています。
フラット35で住宅ローンを組むには、住宅金融支援機構が独自に定めている技術的な基準をクリアした物件を購入することが条件です。住宅の規模がどのくらいかや、断熱構造や耐火構造はどうなっているか、中古物件であれば建物に腐朽がないかなど、さまざまな基準が設けられています。フラット35の基準に適合しているかどうかは、物件の担当者や管理会社に問い合わせれば確認が可能です。
フラット35の審査では、フリーランスや個人事業主であっても直近1期分のみの確定申告書だけで問題ありません。ほかの住宅ローンでは直近3年分の書類が必要とされるのが一般的ですが、フラット35であれば開業して1年程度でも審査を受けることができます。
一般の住宅ローンで審査に落ちた人や、独立してから日が浅くそもそも審査すらしてもらえないという人は、フラット35の利用を検討してみてください。
住宅ローンには、年収別に適正借入額というものがあります。いくら借り入れができるかを見極めるひとつの目安になるため、ざっくりと把握しておきましょう。
住宅ローンの貸し出しを行っているアルヒ株式会社によると、以下の表に記載の額が目安とされています。
なお、表に記載がある「返済負担率」とは、年収に占める年間返済額の割合のこと。返済負担率が高いと、その分返済できなくなるリスクも高くなるため、年収に応じた返済負担率の基準を超えると審査が降りなくなることがほとんどです。基本的には年収400万円未満の人だと返済負担率は30%以下が基準に、年収400万円以上の人だと、35%以下が基準です。
–
返済負担率
年収
25%
30%
35%
300万円
2,107万円
2,529万円
2,951万円
400万円
2,810万円
3,372万円
3,934万円
500万円
3,512万円
4,215万円
4,918万円
600万円
4,215万円
5,059万円
5,902万円
700万円
4,918万円
5,902万円
6,885万円
800万円
5,621万円
6,745万円
7,869万円
900万円
6,323万円
7,588万円
8,853万円
1,000万円
7,026万円
8,431万円
9,836万円
※適用金利1.3%の場合
引用:住宅ローンの「借入可能額」年収別早見表|借入上限額の計算方法を解説
【前提条件】
金利:全期間固定金利型
返済期間:35年
ボーナス払い:なし
上記はあくまでも前提条件や適用金利によっても異なりますが、ひとつの目安として参考にしてみてください。上限の目安を超えてしまった場合は、ローンの審査に通るのが難しくなります。
フリーランスや個人事業主の人にとって、住宅ローンや車のローンを経費として計上できるとうれしいものですが、残念ながらローンの元金は経費計上することができません。ただし、ローンの金利は経費として計上することができます。
住宅でも車でも、事業用として使用する割合に応じて利息分を経費にすることが可能です。例えば、車を100%事業用としてしか使用しない場合は、利息の全額を経費にして問題ありません。仮に50%程度であれば、利息の50%を経費計上します。
住宅ローンも同様に利息しか経費にできませんが、管理費や火災保険料など住宅を所有することで発生するものについては経費にすることが可能です。その場合も車の例と同様に、どのくらいの割合で住宅を事業に使用しているのかに応じて計上しましょう。
本記事で解説したとおり、フリーランスや個人事業主の人がローンを借り入れるには、会社員と比べてやや難しくなることがよくあります。いざというときに組めないということがないよう、地方銀行や信用金庫をメインバンクにしておくことや、日頃から税金等の滞納をしないよう注意することが重要です。
住宅ローンの場合は、フラット35に申し込んでみるのがおすすめ。住宅が基準を満たしていれば、フリーランスや個人事業主の人でも比較的審査が通りやすくなります。ローンの申し込みを検討している人は、本記事を参考に検討してみてください。