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2019.12.11

フリーランスがパソコンを購入したときの経費計上の仕方

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2019年10月1日より、いよいよ消費税が10%に引き上げとなりました。増税前にパソコンを買い替えたというフリーランスの方も多いのではないでしょうか。

フリーランスが業務に使用するためのパソコンを購入した場合はもちろん経費になります。ただし、購入金額によっては一括で全てを経費として計上できないこともあるのです。今回は、業務で使うパソコンを購入した場合の会計処理についておさらいしていきましょう。

10万円未満は消耗品費、10万円以上は減価償却が基本

10万円未満のパソコンを購入した場合は、消耗品費として経費計上が可能です。これならその年に一括で会計処理を終えられるので、一番わかりやすく簡単ですね。

 

逆に10万円以上のパソコンを購入した場合は、そのパソコンが固定資産(1年以上の長期にわたって使用又は利用する目的で保有する資産)とみなされ、その年に一括で全額を経費計上することはできません。

高額かつ長期的に使用する固定資産は、数年~数十年にわたって少しずつ経費として計上していくことが必要になります。この、何年かにわたって少しずつ経費計上していくことを『減価償却』と言います。

10万円以上のパソコンは減価償却が必要、というわけです。

 

では何年間で償却すれば良いのでしょうか。ずばり、パソコンは4年間です。

減価償却するような高額なものは、物品ごとに『法定耐用年数』(=このくらいの期間は使用できるだろうという期間)が国で定められており、それに合わせて償却していきます。

パソコンは法定耐用年数が4年と定められているので、パソコンの購入金額を4年間で(1年で25%ずつ)毎年経費に計上していくこととなります。

 

減価償却をする際の計算方法は、個人事業主の場合だと以下のようになります。

 

その年の減価償却費 = パソコンの購入金額 × 償却率 ÷ 12 × その年に使った月数

 

例えば2019年9月に20万円のパソコンを購入したとしましょう。その場合は次のように減価償却していきます。

 

1年目  20万円 × 0.25 ÷ 12 × 4か月 = 16,667円(小数点切り上げ)

2年目  20万円 × 0.25 ÷ 12 × 12か月 = 50,000円

3年目  20万円 × 0.25 ÷ 12 × 12か月 = 50,000円

4年目  20万円 × 0.25 ÷ 12 × 12か月 = 50,000円

5年目  20万円 × 0.25 ÷ 12 × 8か月 = 33,332円

 

上記を見ておかしいと思った方は、正解です。

20万円のパソコンを購入したのに、4年間で199,999円を償却したことになっています。

なぜ1円少なくするかというと、『備忘価額』といって、資産価値を1円残しておくことになっているからです。償却期間が終わってもそのモノ自体は残るので、0円扱いはしません。減価償却が終わったものが1つなら1円、3つなら3円残る形になります。

 

パソコンを10万円以上で購入した場合は、4年かけて減価償却していく必要があることが分かりましたね。

ただし、金額によっては上記以外の処理する方法もあるのです。次で詳しく解説します。

10万円~20万円未満のパソコンは一括償却資産にできる

前項で物品ごとに法定耐用年数が定められていると説明しましたが、その年数に関係なく、3年間で均等に償却する方法があります。ただし、10万円以上20万円未満の物品を購入した場合のみ有効です。

この、10万円以上20万円未満で、3年間で均等に償却する物品を『一括償却資産』と言います。 “一括”と言っても3年に分けて計上しなければならないので、注意しましょう。

 

一括償却資産とした経費計上は、白色申告者・青色申告者どちらでも可能となっています。

10万円以上の物品を購入したけど、出来るだけ早く償却したい、その年の経費を少しでも増やしたい、という場合におすすめです。

青色申告者なら30万円まで一括で計上が可能

青色申告者の場合は、30万円未満の物品であれば一括でその年の経費にすることが可能、という特例が設けられています。これを『少額減価償却資産の特例」と言います。

ただし、この特例の対象は2020年3月31日までに取得したもの限定となりますので、今後パソコンを含め、30万円に満たない高額なものを購入する予定のある方は、是非今のうちに購入を検討して一括で経費にしてしまいましょう。

まとめ

  • 10万円未満 = 消耗品費として経費計上
  • 10万円~20万円未満 = 減価償却 or 一括償却資産 or 少額減価償却資産の特例(青色申告者のみ)
  • 20万円~30万円未満 = 減価償却 or 少額減価償却資産の特例(青色申告者のみ)
  • 30万円以上 = 減価償却

 

今後業務用のパソコンを購入しようと考えている人は、ぜひ上記を参考にしてみてください。

 

 

 

 

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フリマネ編集部
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